ショスタコーヴィチ:
交響曲第5番ニ短調作品47
交響曲第9番変ホ長調作品70
ワレリー・ゲルギエフ指揮
マリインスキー劇場管弦楽団(キーロフ管弦楽団)
(2002,フィリップス)
ローカルな流儀というものが、たぶんあるのだろう。ロシアのオケで聴くショスタコの5番には妙な安心感を抱く。
このCDは、アートワークに表れたある種の野蛮さをイメージして聴くと、少し肩透かしにあう。
わりと真っ当な演奏なのだ。
でも面白い所も多いから、嫌いではない。1楽章はテンポの揺れが面白いし、2楽章はテヌート気味の弾き方が新鮮だった。3楽章は綺麗で、終楽章は大太鼓の強打にヤラれた。ティンパニはちょっとヘンな音で録音されていたが。
《第9番》は、とてもゆっくりで、これも新鮮。まったく違う印象が生まれるから、テンポって大事なんだなあ…と改めて思った。