ブログの趣旨(音楽や楽器のこと)とは少し趣が異なるのだけれど、「カメラ趣味」について思うところを書き残しておきたい。

 

結論からいうと、もはや「カメラ趣味」は成立しなくなっていると思う。少なくとも、「街でスナップ写真を撮る」などという呑気な撮り方は、犯罪の一歩手前の「怪しい」趣味として、世間に受け取られるようになってしまった。

 

僕が一眼レフ(フィルム)を初めて手にしたのは意外と遅かった。20代の後半だったと思う。恋人や友人や家族も撮ったが、街でのスナップ写真もよく撮った。

 

しかし、結婚して子供が生まれた時に、キヤノンのフラッグシップ・モデルを一式売って、3CCDのデジタルビデオ(DV)カメラを手に入れた。

 

以後、どちらかというと、一眼レフの趣味は深化せず、ビデオカメラで子供の成長を撮るようになった。同時に、趣味でビデオ映画(敢えてこう呼ぶ)を制作するようになった。一人では無理なので、幾人かのグループで創作していた。

 

オペレーションの観点で言えば、間違いなくビデオカメラの扱いの方が上手いと自負している。そして、今までに一眼レフやミラーレスのカメラで動画(敢えてこう呼ぶ)を撮ったことはない。

 

街でいろいろな映像を撮るときに、10年ほど前から気にするようになったことがある。「怪しい人に見えないか」ということだ。自分の子供の撮影ならいいのだが、駅で列車を撮影したり、街の風景をショットするときなどには、極力、人物にカメラを向けないように注意するようになった。

 

次に、カメラを小型の家庭用から、ハンドヘルド形の業務用ビデオカメラに換えた。こうすることで、敢えて「ちゃんと作品を撮っていること」をアピールしているのだ。幸い、撮影中にトラブルになったことは、これまでにない。

 

SONY HVR-Z5J

 

Panasonic AG-HVX200

 

Panasonic AG-HMC155

 

Panasonic AG-HMC45

 

 

しかし、もう無理だと、諦めることにした。このデカいカメラを持って撮影する体力がなくなった。上記のすべてのカメラを売却した。

 

デジタル一眼レフカメラは、PENTAX K-3を最後に、手元からは消え去った。残っているのは、フィルムのNikon F70Dのみである。

 

Panasonic HC-X900M

 

そしてそして、上記の民生用小型ビデオカメラを中古で買った。意外と良かった。軽くて機動力があり、億劫にならない。いつでも、バッグに入れて持ち歩いている。ただ、撮影だけは気をつけなくてはならない。妻には「若い女の人を画面に入れないように!」と釘を刺された。そんなことは分かっている。誰だって逮捕されるのは嫌だ。

 

いつもの持論だが、誰も彼も、中学生の頃の「趣味」は、百歳まで続くものだと思う。僕は中学時代、カメラよりビデオカメラに親しんでいた。だから、一眼レフ趣味が短命で終わったのに比べ、ビデオカメラ趣味の方は、長く続いているし、これからも続くだろう(法律で禁止されない限り)。

 

現在、瀕死状態になっているビデオカメラ市場と、一眼レフで撮影したフィルムのような質感の映像が、テレビ番組等に溢れている現状などについても、それなりに思うところがあるのだが、まあ、それは次の機会に譲ることにしよう。