リムスキー=コルサコフ:

交響組曲《シェエラザード》作品35
ボロディン:
交響詩《中央アジアの草原にて》
バラキレフ:イスラメイ

 

ワレリー・ゲルギエフ指揮

キーロフ歌劇場管弦楽団〔マリンスキー劇場管弦楽団〕

(2001,PHILIPS)

 

 

先日、ブロムシュテットが指揮する予定になっていたN響定期公演の、FM放送を聴いた。指揮者は高関健に代わっていたが、とても感動したのである。就中、ニールセンの《アラジン組曲》という曲が、まったくニールセンを感じさせないエキゾチシズムで、素晴らしい曲だということが分かった。

 

吹奏楽界隈で演奏されそうな曲であるなあ…と思っていたら、案の定、すでに1980年代から編曲物があるのだそうである。

 

エキゾチシズムといえば、この曲、《シェエラザード》である。僕はこの曲にすごくハマったことがあって、大型のスコアを買って、よく勉強していたものだ。「トランペット2本だけでこれを吹かせるか?」とか、独り言(ご)ちながら。

 

ゲルギエフ&キーロフ管のこのCDは、僕がハマった時期以降に発売されたものなので未聴だった。たいへん評判の良い盤で、録音至上最高(最強?)とも謂われる名演奏らしい。

 

発売当時、よく売れたCDなんだろうか。昨日、ブックオフで165円で買ってきた。小澤征爾のニューイヤーと同レベルである。

 

とっても残響の多いPHILIPSの録音が活きている。2002年ごろ、会社はDECCAに吸収されたが、レーベルとしてはまだPHILIPSが残っていた。現在のリイシュー盤は「DECCA」の英国カラーのロゴが入っていて、演奏者も「キーロフ」じゃなくて「マリンスキー」に変更されている。

 

時代は変わった。指揮者の評価も昨年から爆下がりである。

 

演奏は文句なし。第4曲のぶっ飛ばし方が尋常じゃない。ロシアの恐ろしさを知る。打楽器マニアとしては、ティンパニと大太鼓が聞こえないのがじれったいが、実はトライアングルもタンブリンも聞こえづらい。一方で、合わせシンバルばかりがシュワーンと来る。

 

打楽器の人には、あまり参考にならないCDかも。少なくとも僕は、「デュトワ&モントリオール響」盤で勉強して、「小澤&ウィーン・フィル」盤で愉しむことにする。

 

でも、演奏に関しては「魅力がすごいよ」って感じだ。