シベリウス:

交響曲第4番イ短調作品63

交響曲第6番ニ短調作品104

 

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

(1965,1968,グラモフォン)

 

 

普段はあまり聞かないシベリウスの交響曲を。《フィンランディア》と《ヴァイオリン協奏曲》はたまに聴くのだが。

 

少しは涼しくなるかなと期待したが、残暑厳しき折、まったく歯が立たなかった。

 

シベリウスの音楽を聴くと地球を思う。

 

低音は大地だ。轟く大地が何かを訴えている。中音域は人の営みだ。動機はいつだって人から始まる。もっとも聴きやすい音域に音符が連なり、メロディーやその手前の「何か」に形を変えて訴えてくる。高音の輝きは天上の輝き、そして神の声。

 

第6番には、僕の好きなR.ヴォーン・ウィリアムズの交響曲に似た響きが現れる。ヴォーン・ウィリアムズは、シベリウスからの影響をだいぶ受けている感じだ。

 

このディスクはCDでの所有だったが、1960年代とは思えぬほど音が良い。他のベートーヴェン全集とかブラームス全集とかチャイコフスキー後期全集とかとは、ちょっとクオリティに差を感じる。なぜだか不明だが、曲調と録音特性が、単にマッチしているだけなのかもしれない。