オットー・クレンペラーの特集をNHK-FM「名演奏ライブラリー」でやっていた。聴き逃し配信で聴く。
▽不屈の名指揮者 オットー・クレンペラー(再)
初回放送日: 2021年5月23日
満津岡信育(音楽評論家)
部活の定期演奏会で、ワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲のティンパニをやることになったとき、リファレンスとして購入したレコードが、クレンペラー指揮/フィルハーモニア管弦楽団だった。それは、たっぷりしたテンポで奏でられる重厚な音楽であったのだけれど、現実世界の練習では、指揮者の先生がひょいひょいとスマートに進める演奏を要求してきたので面食らったのを思い出す。
ドイツものを聴くときに、クレンペラーは必須である。しかし、オケがイギリスのオケということで、少し敬遠していた時期もあった。やっぱベルリン・フィルじゃないと…などと。
そういえば、中目黒に勤めていた時のボスは、カラヤン嫌いで有名で、「ヘルベルトというのはケーゲルのことを云うんだ」と力説しては、東ドイツの巨匠のCDを貸してくれた。ドイツ・シャルプラッテンのレーベルだった。
いろいろ思い出してしまうが、話をFM放送に戻すことにしよう。今日の収穫は何といっても、クレンペラー自作の交響曲だ。
4楽章構成だが、25分と短いのが最高!
1. Allegro
2. Adagio
3. Scherzo
4. Finale
クレンペラー:交響曲第2番
オットー・クレンペラー指揮
ニュー・フィルハーモニア管
(1969,EMI)
第1楽章も第2楽章も終わり方がかっこいい。一方、終楽章の終わり方は、けっこうありきたりだった。
解説者が「マーラー的な作風…」と云っていたが、それなら、僕はこの25分の交響曲の方で十分だ。
ソロもきれいだったし、オーケストレーション(=楽器の使い方)が実に適っているように思う。指揮者だから当たり前なのだが。
もっと演奏されていい音楽だと思う。交響曲というには短いのかもしれない。交響詩《〇〇〇〇》とか云うタイトルだったら、もっとウケていたのかもしれない。