車田和寿さんのYouTubeにて、ゲオルグ・ショルティの魅力について語る動画が公開されていて、その解説になるほどと膝を打った。もう天晴というほかはない。

 

自分の「好物」について、その魅力を他者に対し言語化することは、けっして容易ではない。しかるに、車田氏は実に的確に指揮者・ショルティの音楽の特長を捉えていらっしゃった。

 

特に、リズム(「ビート」と置き換えてもいい)の楔(クサビ)の打ち込む深さが非常に深い…というくだりには、溜飲が下がる思いだった。そうなのだ、ショルティには「力強さ」「鋭さ」などの有り体な言葉では言い表せない「何か」があるとは感じていたのだが、それが「何」なのかは、いま一つ分からなかった。それが、車田氏の解説で、一気にスッキリしたのである。

 

ということで、急にショルティが聞きたくなり、ブラームスの交響曲全集の箱を出してきた。

 

 

4枚組LP。アメリカからの輸入盤だ。

 

 

録音は、1978年~79年。シカゴ「メディナ寺院」と書かれてある。

 

 

いかにも「高音質」そうなスリーブに、レコード盤が入っている。

 

交響曲第1番を聴いたが、第2楽章のような曲にこそ、前述の「楔の深さ」を感じる。ビートの明確な速い楽曲からテンポを感じるのは、ある意味、容易。しかし、ショルティにおいては、このようなアンダンテの曲からも、深~い、深~い、リズムの杭を感じることができる。

 

すばらしい。

 

次は第2番を聴くとしよう。