オーディオ用語に「音場」(おんじょう)という言葉がある。対になる語が「音像」(おんぞう)で、両者は音の「空気感」を重視するか、音の「像(かたち)」を重視するか…というような「二項対立」的な論評の中で使われる。

 

ふと観たオーディオ系のユーチューブで、「音場」のことをずっと「おんば」というふうに読み間違えてナレーションを入れている動画があって、ああ、オーディオに詳しい人でも熟語の読み方は間違えるんだな、と妙に感心してしまった。

 

たしかに、オーディオ雑誌のような文字媒体には音声情報がないから、自身が身に着けた語彙を、勝手な「思い込み」で読み習わしてしまうことは、ままあることだ。僕も、オーディオ用語ではないが、中学の時、「号泣」を「ごうなき」、「出色」を「でしょく」と読んで、旧友にひどく笑われたことがあった(笑)

 

「熟語の読み方」の基本ルールは、最低でもちゃんと教えないといけないと自戒した。

 

さて、本題。

 

今朝のNHK「音楽の泉」では、カリンニコフの交響曲第1番を放送した。朝、5:00には起きられないので、今日も「聴き逃し配信」での聴取である。

 

 

カリンニコフは、チャイコフスキーに指揮者として認められ、出版についてラフマニノフのアドバイスを得たり、リムスキー・コルサコフにオーケストレーションの指摘をされたりした作曲家だという。第一交響曲は1897年にウクライナのキーウで初演され、近衛秀麿が戦前、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した時のメインのプログラムだったそうだ。

 

で、今日のラジオで採用された音源が良かった。

 

1993年2月3日、NHKホールでのN響定期から、スヴェトラーノフの指揮による演奏であった。(CDソフト)

 

 

シャルル・デュトワの音楽監督就任が発表された頃のN響メンバーが演奏している。このころはちょくちょくNHKホールや神奈川の地方公演だとかに足を運んでいたころで、僕がもっともN響を生で聴いていた時代なので、実に懐かしい。

 

スヴェトラーノフも、ソビエト国立交響楽団と来日したときの横浜公演を聴いたし、とても好きな指揮者だ。

 

YouTubeでの映像でチェックすると、コンマスが山口さん、ティンパニにペーター・ゾンダーマン、フルート中野さん、ホルン樋口さん、クラリネットに(ゲストで)赤坂達三、ファゴット岡崎さん、オーボエがトゥッティに溶け込んで美しいと思ったら、案の定、北島さん!(とくに第2楽章のソロが素晴らしかった!)、コーラングレの綺麗な独奏は浜さん。金管は、まだ鬚づらだったトランペット関山さん、入ったばかりのトロンボーン吉川さん、などなど。

 

とにかく、僕にとっては、「N響」といえば「このメンバー」…というほどのお歴々なのであった!

 

キングからCD化された音源は、とても整っていて、何も言われずに聞いたらイギリスのフィルハーモニア管弦楽団か、と思われるほど水準が高い演奏だった。さすが、スヴェトラーノフである。

 

「らじる★らじる」の音源をPC録音して保存しようと思ったのだが、やはり音が良くないので、途中で断念した。弦の音が相当「ヤバイ」のだ。

 

CDを購入しようと思う。