オッフェンバック:バレエ「パリの喜び」

グノー:歌劇「ファウスト」からのバレエ音楽

 

シャルル・デュトワ指揮

モントリオール交響楽団

 

(1983,DECCA)

 

 

朝、5時に起きてデュトワの音楽を聴く。また悦ばしからずや。

 

先週の土日は部活の引率でさいたまだった。土曜の夜、宿泊した大宮駅前のホテルの近所で飲んで、とても楽しかったのだが、自宅でないと、朝、こうして音楽を聴けないのは、ちょっとつらい。

 

おうちがいちばん。

 

ということで、今朝はデュトワの初期の名演奏から《パリの喜び》を聴いている。というのも、来週の14日(火)に、すみだトリフォニーホールでデュトワを聴くので、気持ちを高めるために…。

 

近頃のデュトワは、「お預け状態」がひどすぎて、もう一生会えないのかと思っていた。三度目の正直。

 

おまけに、今年のサイトウ・キネン(松本)もデュトワの指揮が決まったようだ。音の仲間の一人が「特報!」とばかり、勇んで教えてくれた。

 

今朝のデュトワによるフランス音楽もたいへん心地がよい。《パリの喜び》は、小澤/ボストン響盤も所有しているが、デュトワの大勝利だ。リズムを‟割り算”していない。カラッと明るい録音に、前進するテンポ感。さすが、である。

 

「明るい録音」と書いたが、1983年ごろのデュトワ盤の録音は、後年のそれに比べて、「明るさ」の要素が50%増しぐらいに聞こえる。レコード会社やプロデューサーがそれを‟狙って”いたというのもあるだろうが、やはり、機材や技術、ロケーション(モントリオール聖ユスターシュ教会)などの録音環境によるものも大きいのだろう。

 

聖ユスターシュ教会については、一度、海外のウェブページで調べたことがある。引用元に記されているURLを入れてもエラーになるので、その記事が今も存在しているかは不明だが、断片が出てきたので無断で載せておく。

 

「最高ランクのレコーディング会場」
L'Orchestre Symphonique de Montréalの録音会場であるサントゥスタッシュ教会は、19世紀初頭に当時の典型的なフランス系カナダ人の建築様式で建てられました。教会は、モントリオールの西約20マイル、Autoroute des Laurentidesの外れにあるSt.Eustacheの町にあります。
 

音響的には、この教会は非常にユニークであり、この教会の天井の下と壁の中で鳴る音を高めることができる多くの装飾があります。床はわずかに傾斜しており、全体的な効果が大幅に向上します。カーペットはどこにもありません。録音の必要性に応じて、オーケストラやマイクスタンドなどにオープンスペースを提供するために、数列の前部座席が削除されます。

 

デッカ/ロンドンは通常、6月または10月に録音し、町の係員がすべての車両交通を迂回させます。録音のための非常に静かな設定を提供する教会。教会の右と後ろの川を走るモーターボートも迂回することになります。

「なぜサントゥスタッシュ教会なのか?」
過去にデッカ/ロンドンで録音された場所として好まれていたロンドンのキングズウェイホールと同様の音響の幅と温かさ、拡散性を備えています。 私自身のリスニング評価によると、両方の会場で行われた録音は、デッカ/ロンドンのクラシック録音を非常にユニークなものにする、特別な音響特性を示しています。

 

サントゥスタッシュ教会は毎日一般に公開されています。毎週日曜日のカトリック・ミサや地元のコンサートは、特別な音の機会を提供しており、大勢の聴衆や祈りの聴衆の存在が、教会の音響を否定的に損なうことはありません。

 

デッカ/ロンドンが独占的な録音権を維持し、CD販売収入の8%が維持のために、そして教区の善行のために教会に寄付されています。

http://www.sd-associates.com/HistoryStEu.htm
 

 

もともとの英文を翻訳ソフトで和訳したと記憶しているので、アヤシイ箇所はあるのだが、興味深いのは、車やモーターボートを迂回させてまで録音会場の静寂性を確保していたということだ。そして、デッカの印税から8%が教会に寄付されていたということ!

 

ケント・ナガノになってから、この教会を使って録音したという話は聞いていないので(音響の良いホールがモントリオール市内にできたのもあって)、教会や信者さんにとっては、さぞや残念なことであろう。

 

教会の内部の写真は、『シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団35枚組ボックス』(輸入盤)に封入されていた豪華ブックレットに掲載があった。ちょこっと載せておこう。

 

 

 

 

プロデューサーのレイ・ミンシェルさんとデュトワ。

デュトワ、若けー。