ラヴェル:

スペイン狂詩曲

クープランの墓

道化師の朝の歌

ラ・ヴァルス

 

(1971,EMI)

 

 

「カラヤン・エディション101」の中の「ロシア・東欧・フランス・ボックス」CD1&CD2に収められているのが、ラヴェルの管弦楽曲集。1971年にパリで録音された上記4曲である。

 

 

ベルリン・フィルとは使用している楽器も違うだろうし、ホールも違う。パリ管の響きは透明で、録音もとても鮮明。それでいてうるさくは感じない。《スペイン狂詩曲》の冒頭、弱音器をつけた弦やオーボエやクラの音を聴いて、もう「何かが違う」ことがわかる。その後のミュートを付けたトランペットとか、金物打楽器とかの煌びやかさについても。

 

《クープランの墓》では、オーボエ・ソロの妙技に聞き惚れた。ハープとか弱音のホルンとかも、ほんとに感動的。やっぱ、カラヤンはグラモフォンよりEMIだよなあ…などと。

 

まあ、そんなことよりも驚きなのが、カラヤンのレパートリーの広さである。

 

同じ「101ボックス」には、レーフ・ヴォーン=ウィリアムズの《タリスの主題による幻想曲》も収録されていた。カラヤンがイギリスのRVWの曲を録音していたとは知らなかった。モノラル録音だから興味がそれほどではなく、まだ聞いていないが、近々レビューしたいと思う。

 

あくまで聞こえる音からの推測でしかないが、おそらく、カラヤンとパリ管の録音に於いては、管楽器を「補強」してはいないのではないか。カラヤン&BPOの諸録音の金管パートが、時に濁って聞こえることがあるのは、「倍管」による補強によるものと私は思っている。だから、そのような濁りがまったくないのは、楽譜通りの「1パート=1人」で演奏しているからではないか、と推測したのだ。

 

どなたかご存じの方がいらっしゃったら、興味があるので、ぜひお教えください。