前の記事:

 

中古で楽器を買うときに冷静になって自問自答しなければならないことは、購買の目的は何かということである。衝動買いを防ぐためにもそれは必要だし、オークションの場合なら、入札の上限額を決める際の参考にもなる。

 

僕は今回の購入の目的を、「1980年代のフリー・フローティング構造のスネアで、未聴であるメイプル・ファイバー・シェルのスネアの音を聴くこと」に絞り込んだ。だから、どのような要因にせよそれが無理なら、最初から手を出すつもりはなかった。

 

しかし、幸いにして、ヤフオクで見つけた商品にはパーツの欠如などがなさそうであった。

 

ただ、スナッピーと両サイドのヘッドはどんな場合でも交換の必要があるのが常識だ。

 

それから、商品写真で気になる点もあった。

 

それは、

 

①シェルが天地逆に取り付けられていたこと。

 

②ストレイナーとスナッピー・ガイドが完全かどうか見極められなかったこと。

 

…の2点であった。

 

商品説明にも「ジャンク扱いで」となっていて、パーツの瑕疵については、わざと説明を回避しているようなニュアンスがあった。しかし、そこは考えようで、情報不足ゆえに入札件数が極端に少なくなるのならば、意外と安価に手に入れられるかもしれない…。

 

とはいえ、入手してからのメンテ費用を考えると、あまり高い入札額は入れられない。いろいろ思案して、12,500円に留めた。この金額だって、興味ない人から見ればだいぶ高額であるはずだ。30年以上も昔の製品なのだから。

 

ともかく、無事に落札できて、家に送られてきた。さて、まずは「検品」である。逆に取り付けられたシェルのエッジは無事なのかどうか。ストレイナーなどの調整部品は使えるのかどうか。欠品があったとしても、ボルトやネジの程度で復旧できるのかどうか…。

 

結果としては、ひとまず「買って正解」だった。胸を撫でおろす。紛失パーツはなく、ネジ類を調達すれば何とかなりそうだったのだ。

 

そして、数日を経てメインテナンス完了。良い品物で、たいへん満足である。

 

メンテ後の写真(出動OK状態)