
ベートーヴェン:
交響曲第4番変ロ長調作品60
交響曲第6番ヘ長調作品68《田園》
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(1983,1982,DG)
今年に入ってからの「CD売却計画」の実行により、我が家のCDラックにだいぶ“歯抜け”が生じてしまっている。なにせ、1980年代より以前に録音されたクラシックのCDは、(例外を除いて)すべて売却したのだから。
“蟻の一穴”というが、「惜しいなぁ…」などと後ろ髪をひかれながらレコファンに持ち込んでいたのは、ほんの最初だけ。「あとはどうにでもなれ!」と半ば自暴自棄になって、せっせと売りに出しちゃっている僕がいる。
昔、火曜サスペンス劇場で「一人殺したら、あとは何人殺そうが一緒だ」という趣旨のセリフがよくあったものだが(浅見光彦シリーズのポール牧とか)、まさに「1枚でも大切なCDを売ったら、あとは300枚売ろうが500枚売ろうが同じこと」なのである。
ところで、旧いアナログ録音であっても売却しなかった「例外」のCDというのは次のようなもの。ルールを作らないと、後悔することにもなりそうなので。
①指揮者:デュトワ、ジュリーニ、小澤のディスク。
②作曲者:レーフ・ヴォーン・ウィリアムズの作品収録のディスク。
③楽曲:フォーレ:レクイエム(死者のためのミサ曲)のディスク。
④その他:カラヤン指揮のチャイコフスキーの交響曲のディスク。
逆にいえば、①~④以外のアナログ録音のCDはすべて手放した。めんどくさいので、PCの外付HDDにWAVEデータに残すこともやめてしまった。
そうしたら、けっこうお気に入りだったCDもドナドナされてしまう事態になり、たとえば、クリュイタンス&BPOのベートーヴェン交響曲全集を失った結果、ベートーヴェンの4番を我が家では愉しむことができなくなってしまった(レコード以外には)。
そこで、“歯抜け”を補填する旅が始まったのである。小遣い3万円の私が、新品なんて買えるわけがないから、これからは、あの全国展開の古本屋さんの280円コーナーを中心に発掘作業を進めていくしかない。
ということで、掘り出し物の第1弾として、カラヤンの最も新しい録音の日本盤が手に入った。1983年のデジタル録音だから、クリュイタンスとは音の鮮度がまったく違う。やっぱり、音の良い録音は臨場感があって、再生藝術を満喫できる。これを「ベト4」のMy定盤としよう。