
ラヴェル:
弦楽四重奏曲ヘ長調
ドビュッシー:
弦楽四重奏曲ト短調Op.10
イザイ弦楽四重奏団
(1990,DECCA)
クロード・ドビュッシー(1862年8月22日―1918年3月25日)と、モーリス・ラヴェル(1875年3月7日―1937年12月28日)の弦楽四重奏が収められたCD。ドビュッシー先輩とラヴェル後輩の作品が、作曲順を反転させて収録されている。その意図は不明。
ドビュッシー先輩は、ラヴェル後輩が28歳でこの曲を完成させた時に「賛辞」を贈ったそうな。
「ドビュッシーはラヴェルのこの作品に熱狂的な賛辞を送って、ラヴェルに終楽章を改訂せぬように説得し、次のように進言した。
『音楽の神々の名とわが名にかけて、あなたの四重奏曲を一音符たりともいじってはいけません』
しかしながらラヴェルは、出版にあたって作品全体を改訂して、より構築感が高まるようにした。」(ウィキペディア/フリー百科辞典)
やっぱり天才は違う。尊敬する人物に「一音符たりともいじってはいけません」と言われたら、僕ならそれだけでのぼせあがって、指示を絶対に守ると思う。
ちなみに、どちらも弦楽四重奏曲は一曲しか残していない。また、ドビュッシーの作品で、作品番号がついているのは、この曲だけだという。へぇ、そうなんだ。
弦楽四重奏曲は、四声部の音色が揃っているからとても美しい。ラヴェルの四重奏曲はサックス用に編曲されているのを聞いたことがあるが、趣こそ違え、音色が綺麗に揃った楽器で奏せられる四重奏は室内楽では完璧な楽曲形態ではないかと思う。
先週の土曜日に、高校の部活のOB会で飲んだ。サクソフォン四重奏で関東大会に出たことのある後輩は、アルトを除いて三人ともサックスを生業にする人(レッスンプロ、ジャズ奏者、自衛隊音楽隊)になっていた。クラや金管や打楽器ではそういうこと(4人中3人がプロみたいなこと)は、起きていないのだが、サックスっていうのはやっぱ何かが違うと思った。意思が強くて個性的。外野からはとっつきにくい印象もあるのだが、内輪では互いにとっても仲が良いみたいである。