beyerdynamic DT235は、クラシックと相性が良いと思う。コンパクトな見かけからは想像できないが、特に古い録音のディスクをきれいに聴かせるのが得意だ。解像度が高くないのがかえって良いんだろう。

 
オーマンディ指揮・フィラデルフィア管弦楽団の《運命》と《田園》を聴いている。昔の僕の、再生周波数帯域が広く、解像度の高いオーディオ・システムで聴いたら、ヴァイオリンの高音がヒステリックに耳を刺激していたであろう音が、このヘッドホンだと「美しく」なっちゃうんだな。
 
ヨーロッパの製品というのは、こういうところが「うまいなー」と思う。昔から。
 
かつての僕の4代目のヘッドホンは、audio-technica ATH-A5だった。定価は税抜きで\11,000。1997年ごろの購入だと思う。その前は松下製の\12,800のものを使っていたから、値段的にそんなに変わらないだろうと思って、当時のノジマ海老名店で試聴もせずに買った(懐かしい)。
 
気に入らなかった。
 
でも、当時は「忍耐」という言葉をまだ身に着けていたのである。気に入らないからすぐ「売っちゃえ!」とはならなかった。オークションもなかったし。
 
で、我慢して使っていた。健気だな。
 
ヘッドホンの出番はもっぱら深夜であって、普段はダイヤトーンのスピーカーで音楽を再生していた。DS-700Zである。懐かしい昔話である。僕が塾講師から教員になったばかりの頃だ。
 
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■価格 \11,000
■型式 密閉ダイナミック型
■振動板 53mm、CCAWボイスコイル
■インピーダンス 60Ω
■再生周波数帯域 5-28,000Hz
■許容入力 1,400mW
■感度 100dB/mW
■コード 3mOFCステレオ3.5/6.3mmプラグ
■重量 290g(コード含まず)
■発売 1994年3月21日
■販売終了 1997年頃
(『ヘッドフォン近代博物館~2000年までのヘッドフォン・データベース』より)