ベールアップは、キリスト教式または人前式での最大の見せ場だ。
このベールアップが、美しいかどうかで、結婚式自体が美しいかどうが決まると言ってもいい。
僕は、結婚式の中で、このシーンが最も好きである。
このベールアップ、式場では1度だけ練習する機会が与えられる。
挙式とは別の日に行うところはまれで、ほとんどは、式の直前にちょこっとやるだけ。
ウェディングに関する、雑誌などは数多くあるが、
永遠に使えるノウハウ本などはないとおもう。
なので、本当は、僕が書かないといけないと思っているのだけど、
どうにも、きっちり、かっちり、やる気になって、キーをたたく気になれず、
そう思ってから、早10年が過ぎてしまった・・・
でも、10年経ってもほとんど中身は変わっていないようで、
どうしたらいいだろうか?と、悩んだ末、このブログで、
ちょこまかと、日常のどうしようもないことも書きながら、
書き癖を付けて、気が向いたときに書いていって内容を溜めていこうという戦法にしたのだ。
コメントをもらったり、メッセージをもらったりしてもいいけど、
ネガティブな意見がきたり、知っている人物に見つかったりすると、
とたんに、やる気をなくすので、それまでの間、がんばって書くことにする。
さて、ベールアップは、僕が最も最初に開発したものだ。
結婚式の撮影をしていて、このベールアップを美しく撮りたいのに、
あまりにも新郎新婦がへたくそで、嫌だった。
これを何とかしないと、僕の写真がへたくそに見えるので
それが、最も許せなかったことだった。
幸いにも、これを開発する環境は整っていた。
僕は、外注業者だったので、都内と中心に、いろんなホテルや式場に出向いて撮影をしていた。
ベールアップの練習は、ほとんどが、挙式の直前なので、
僕は、それぞれの式場で、何をどう教えているのか知ることが出来たのだ。
おおよそ、100カ所のデータを蓄積した。
そして、全部のいいとこ取りで、
「ベールアップ 21のポイント」を開発した。
さて、それをどう教えていくか。
これを教えるためには、当日の前に、
必ず、新郎新婦に合う必要がある。
そこで、打合せ必須とした。
打合せの時に、このノウハウを伝授する。
始めの数組に教え、そして、結婚式当日を迎えた。
僕は聞く 「ベールアップ練習した?」
すると、答えは意外なものだった
「いや~、時間がなくて」
「忙しくて」
「やってなかった」
「ちょっとだけ」
など、苦労して開発した割には、
みんな練習してくれなかったのだ。
まあ、仕方がない。
それでも、少しでも良くなるように教えていこうと思って続けていったのだ。
そして、ついにそのときが来た。
横浜にある某式場。
ベールアップの瞬間が来た。
僕は、バージンロードの一番後ろでカメラを構えていた。
「う、う、美しい・・・」
言葉にならなかった、余りの美しさに手が震えた。
ウェディング撮影をやってきたなかで、
最も、美しく感動的なベールアップだった。
もちろん、新郎新婦が美男美女というオプション付きだったが、
それにしても、あまりにも美しすぎた。
僕は、その後の挙式の内容は、全く覚えておらず、
式が終わって、すぐに新郎新婦の控え室に行ったところから覚えている。
控え室に入ると、新郎がソファーにふんぞりかえっていた。
僕は言った「ベールアップ最高だったよ」
彼の答えは、「そりゃ、そうだよ。練習したもん」
僕は、確信した。
「練習すれば、ここまで美しくなるんだ」と。
僕が教えたことが、正しかったことが証明された瞬間だった。
それからというもの、打合せの時に、僕は
このときの話をするようにした。
すると、それまでの新郎新婦の反応とはまるで変わって、
当日「練習した?」と聞くと、返ってくる答えは、
「しましたよー」
「バスタオルでやりました」
など、みんな練習してくれるようになった。
もちろん、その成果は、本番にも現れた。
素晴らしかった。
ここで、ちょっと余談だが、
その後、しばらくして、ある撮影を依頼された。
ウェディング撮影だったのだが、ビデオ撮影のみ。
ビデオ撮影は、打合せ必須としていなかったし、
ビデオ撮影だけを頼まれることはなかったので、
その新郎新婦とは、打合せをしていなかった。
そのまま、当日を迎えて、撮影に行った。
そして、そこで目にしたベールアップは衝撃的だった。
「あまりにもひどい」
なんじゃこりゃー!と、叫びたくなるようなひどすぎるベールアップ。
わかりやすく言えば「汚い」
世間一般の人たちは、こんなに醜いベールアップをやっているのかと思ったら、
とても、残念に思ったものだ。
そう思うと、ベールアップ以外もやりたくなってきた。
そこで、僕は、撮影のためにいろんな式場やホテルに出向きながら、
さまざまなウェディングに関するノウハウの研究をし始めたのだった。
実際の「ベールアップ 21のポイント」は、また今度。