無観客という異例の方式での開催方法となったピン芸人No.1決定戦「R1グランプリ」。


見れた部分だけ、素人目線で書いてみます。あくまでも素人なので批評でもなんでもなく感想です。

しかも見ながら書いたので、後から読むと全然的を得てないかもしれません。

本当に単なる感想というか、それにもならないメモです。



Aグループ】

◼︎マジカルラブリー野田

全鉄の時の「触んなくていい」はもっと本人のアクションがあっていと思いました。声のボリュームなどでの抑揚がなく映像を見せる芸は、無観客向きだったのかもしれません。


◼︎SAKURAI

曲も聴きやすいし、なぞなぞで起こるアハ体験みたいなものも手伝って笑いが起きる構造になっています。ただ、それぞれが脈絡として繋がっていないのなら、サビ的な展開を入れて「僕をこう見てください」というものをやらなきゃいけないし、ネタ時間3分という制限でそれができないならキャラクターでそれを理解させなきゃいけないけど、そこが伝わりきれず不足。

でもすごい好き。


◼︎守谷日和

地の文の言い立てが達者すぎて緩急がなので、落語調の部分が際立っていません。



【Bグループ】
◼︎ルシファー吉岡
設定は見たことないもの。でも、ネタ前の煽りVTRのバックスイングが大きすぎて損している感じがしました。M-1でミルクボーイが優勝したこともあるのか、軸足が台本に置かれていて現場での演技力は少し軽視されている印象でした。
また「俺なんか」から「アリなの?」に変遷をもっとはっきり「Y=X2乗」の曲線として見せられればよかったのかもしれません。

◼︎ななまがり森下
無観客の煽りをもろにくったうちの1人という気がしました。テンポの緩急の作り方や展開をブーストするやり方が、これまでのR-1でウケたネタを基盤にして「R-1用」に作ったネタの雰囲気。そのせいで、これまでと違う雰囲気のR-1では後半のブーストが生きなかったようです。

◼︎ほしのディスコ
漫才コンビ「ハーパー」を見たときから、こういう方が向いているイメージがありました。そして思った通り、個人的には好きなタイプのネタでした。フリップやナレーションを相方にするピン芸人はいるけど、それを入れずに「本当に1人」で、リアクションだけでそこにいない人が何を言ったかわからせる台本はとても素晴らしいです。さらに、その「切なげ」な台本を引き立てる演技力もとても良かったです。

◼︎すえひろがりず南條
桂枝雀は笑いの構造を「緊張の緩和」と言いました。すえひろがりずは「緊張=古典的な言い回し」「緩和=現代的なモチーフ」においてやっています。
それを舞台の真ん中で「今/昔」とビジュアル的に分けて見せるあたりは、それをひたすら考えた人が生み出した方法だと思いました。もっと丁寧に言えるはずなのに「◯◯のこと」と、あえて幼稚に言う演技力や、本域の古典よりは軽いのにテレビのバラエティ番組を見慣れている人には古典をやっているように見える「ちょうどの言い方」でやる「よぉ〜」などは、自分を本当によく俯瞰で見えているんだなと思います。


【グループC】
◼︎ヒューマン中村
陣内智則さんが得意にしたナレーションに突っ込むネタ。陣内さんは相手がナレーションでもツッコむ時の目線が一緒です。でも「どこからか話しかけられている」という設定のせいで、キョロキョロしながらのツッコミになりました。これがツッコミの切っ先をキレを削いでしまった一因になりました。
何か目印を置いて、そこから話しかけられている設定にしたら、ツッコミの目線が定まってもっとキレが出たのかもしれません。


◼︎おいでやす小田
勢いや巻き舌の独特な音感も、これでR-1勝負ネタなのはすごくわかるし、めちゃくちゃ面白かったです。でも、この後のワタリさんと同様、フリップというモタつきがみえて心配してしまうシーンが見えてしまいました。それから、狂気の人を演じているのにサングラスをしているせいで、目つきからの狂気が伝わってこないんです。普通のメガネで出場したこれまでの何年かの方が、目つきから伝わる狂気が見えました。ネタの緻密さは群を抜いていたので目が見えたら違っていたかもしれません。


◼︎ワタリ119
スピードで笑わせるなら、フリップを手動でめくるよりモニターのスイッチングの方がモタつきがなくていい気がしました。モタつきを含めて笑えるなら別ですが、率直にモタつきに見えてしまいました。ネタの考え方はライブでも鍛えられたんだろうなと思えるものでした。


◼︎大谷健太
実際どうなのかはわかりませんが、舞台で大声でやるよりツイッターで流れてくるような「文字情報」のほうがウケるんじゃないかなと思います。もしかしたら、そういうところで試してウケたネタを舞台にかけたのかな?と思うような「読むネタ」でした。また、前半のボケを後半で回収したのですが、これは前半のウケありきなので無観客だったせいで、ウケたかわからないまま見ると、きちんと回収しきれなかったという印象がありました。