『相続税に強い!』というコメントを

Web界隈でよく見かけます。

 

本当に強い!?のでしょうか?

強いとはどのようなことなのでしょうか?

 

不動産鑑定士の視点から意見をしたいと思います。

特に私は相続税の不動産の評価(財産評価)が行えますし、

税務署の資産税の担当官と交渉したことがあり

否認に対して意見書を再提出して、認容に変更していただいたことがあります。

もちろん、相続税減額を目的とした不動産鑑定評価書を作成できますので、

それなりの説得力があるかと思います。

 

まず『正確な数字を出せる』ことではないでしょうか。

税理士、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)、宅建士(不動産業者)、コンサルタント等

色んな専門職業家の方がいらっしゃいますが、

税理士を代表して、これらの方々は『正確な数字を出せる』

つまり、『正確な相続税額を算出できる!』ことです。

 

税理士の先生は相続税に関わる『数字』全般に精通している『はず』です。

なお、『はず』と表現しましたが、

これは税理士の花形業務が法人税ですので、相続税は資産税の分類になり、

苦手若しくは全く知識が無い先生もいらっしゃることの注意書きです。

 

他の専門家の方々は、もっとコアな部分での話なはずです。

 

相続税の申告書は1表~15表があり、

それに資産の評価額、負債の金額、特例等の反映をして、

初めて相続税額が算出されます。

おそらく税理士以外の専門家のほとんどは相続税申告書を詳細に把握してないか思いますので、

他の専門家の方々はざっくりとした数字の相続税の査定と考えた方が良いでしょう。

 

相続税が発生する方々はどのような方でしょうか。

とんでもない現金所有のお金持ちの方は別にして、

一般的な専門士業の方々が対応する一般的な納税者は、

不動産を所有している方々かと思います。

 

相続に強い!と宣伝する専門士業の方々

相続税に関する査定はできるはずです。

しかしながら、重要なのは

その査定結果が、一般的な納税者にとって最適な解であるかどうかです。

 

相続税が強いと言っても、

不動産の売却が得意な方でしたら、売却が多い提案になるかと思います。

資金的な余裕ができるかもしれませんが、

一般的な納税者の方々が不動産を手放すことなり、

それが最良の提案にならない可能性があります。

 

不動産鑑定士の視点から申し上げますと

やはり、不動産はなるべく手放さない方が良いと考えてます。

相続税が発生する方々の所有する不動産は、

基本的には収益性が高い地域に所在するかと思います。

そんな状況で『売却』一択の考えはやはり危険と言えます。

 

将来、孫・ひ孫の子孫たちが安心して生活してもらいたくありませんか。

私の参加した勉強会で、

相続対策で不動産を売却した事例の紹介をしてましたが、

メインに不動産を引き継がせる相続人以外の相続人は

自宅敷地を残しただけした。

売却した土地は、宅地分譲業者に売却してましたが、

不動産の知識不足による潰れ地(道路)が発生する提案もしていて、

相続人に収益性のある不動産を残せないばかりか、

売却金額を下げる提案までしてました。

 

不動産の売却はミクロ的な話です。

まずはマクロ的な話として、

現在のままでは相続税がどのくらい発生するか把握・理解をしてから

ミクロ的な話(不動産等)の話をされた方が良いです。

税理士以外の専門業者の方に相談するときは、

事前に税理士の先生としっかりと打合せの上、

相談された方が良いです。

その方が不動産を残しつつ、相続税対策がしっかりとできるはずです。

 

ただ、税理士以外の専門家の方が

以前からの付き合いもあり、話しやすいかもしれません。

その場合でも、専門家の方経由でもかまいませんので、

税理士に相談の上、マクロ的な状況把握はされた方が良いかと思います。

 

『相続税に強い!』とは

相続税に対して、マクロ的な視点を持ちつつ、

ミクロ的な専門性を発揮して、

一般的な納税者に最適な解を提供できることではないでしょうか。

さらに、専門外のことについては、そのことを理解しつつ、

他の専門家に当該部分について支援を仰げる能力と考えます。

 

士業の責任はすごく重いです。

ですから私は

『士業一生勉強』と

日頃から声を上げでおります。

 

最後まで、お読みいただきありがとうございました。