東向観音寺 | 京都ぶらり散策

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京都が好きで年に数回訪問します。歴史と文化を感じられるこの街が好きです。

東向観音寺でひがしむかいかんのんじと読みます。本堂が東を向くことから、こう名付けられていますが、東向きが珍しいのかというとお寺は珍しくないみたいです。ほぼ北野天満宮の中にあるような寺院です。
以前来た時は門が閉まっていて参拝できませんでしたが、この日は大丈夫。でも北野天満宮の人気と比べると、ここに立ち寄る人は稀れで、ひっそりとしています。
 
少し寂しげな境内で、更に不気味にさせる存在が、土蜘蛛塚です。元々は源頼光を悩ました土蜘蛛が棲息していたところにあったもの。開拓に伴い、土蜘蛛塚が崩され、塚の下から発掘された石塔を持ち帰って庭に置いた者の家がまもなく倒産してしまい、ここに奉納されたそうです。少し離れた場所からしか見ることはできません。あまり近くに寄るのも怖い気がします。同じ説話の土蜘蛛塚があるのは、上品蓮台寺です。

もうひとつ見るべきものとして、伴氏本廟と呼ばれる石造五輪塔があります。実はこれ、菅原道真の母親を祀る御廟です。4mを超える巨大なもの。お隣の北野天満宮が菅原道真を祀っていて、その三の鳥居手前に伴氏社という菅原道真の母親を祀る神社があります。元々は、そこにあったのですが、明治の廃仏毀釈で東向観音寺に移されたそうです。これも歴史の皮肉です。