今日の一曲!桃月学園1年C組 feat. 片桐姫子「黄色いバカンス」
【テーマ:夏】の「今日の一曲!」第二弾は、桃月学園1年C組 feat. 片桐姫子の「黄色いバカンス」(2005)です。TVアニメ『ぱにぽにだっしゅ!』の1stOP曲で、ここではメインボーカルを姫子(CV:折笠富美子)が務めているバージョンを扱います。
※ 上のAamzonリンクに表示されている値段は定価以上です。
『ぱにぽにだっしゅ!』については以前にもこの記事の中で言及したことがあり、その中で「『ぱにぽに』も当然のようにDVD初回マラソンした作品ですし放送終了後しばらく放心状態になるくらいにはドハマリしていました。」と記しているように、第一次アニヲタ期の頃に(ギャグ・コメディ路線では)最も好きだったアニメと言っていいくらいのお気に入りでした。
作品自体の魅力を語り出すといつまで経っても音楽レビューが始まらない気がするのでそれらについては割愛しますが、その音楽だけを取り立てても作品が人気を博した理由を考察するのには充分だという認識で、歴代のOP/ED曲は勿論キャラソンやサントラに至るまでハイクオリティなナンバーが揃い踏みの状態であるため、ここを掘り下げることで魅力の一端でもお伝え出来ればなと思っています。
「黄色いバカンス」の最たる特徴は、GS(グループサウンズ)のマナーが取り入れられていることです。『試験に出る ぱにぽにだっしゅ! 公式ガイドブック』には音楽制作協力である進藤澄子さんへのインタビューが載っているのですが、そこでは「70年代青春ソング」という表現がなされています。これは新房監督からのオーダーに基いたものだそうで、氏の年齢を考えると60~70'sの流行はまさに世代ですよね。
僕はこの世代ではありませんがGSは好きなサウンドのひとつで、格好良さとコミカルさが同居する面白いジャンルだと捉えています。本記事のブログテーマは「アニソン(格好良い系)」にしていますが、実は「アニソン(可愛い系)」にしようかとも迷っていて、この「一言で形容出来ない感じ」がGSの奥深さを物語っているとしてもいいのではないでしょうか。加えてGSは「夏を演出するにはもってこい」だとも思っていて、アニメの放映開始が7月であったことも考慮すると時期としてもぴったりでしたね。
最終的に「格好良い」を選んだのはそこが最も主張したいポイントだからで、とりわけバンド隊の演奏力というか作編曲者である河合英嗣さんのアレンジ力を高く評価しています。楽曲自体のクレジットとしては「All Instruments」に河合さんの名前が載っているのみなのでこういう書き方をしましたが、多重録音と打ち込みの合わせ技だと推測した次第です。
最もツボなのは2番Aメロ・2回目でリズムセクションのパターンが大きく変わるところで、主旋律は据え置きのままアレンジの変化のみで異なる印象を演出するというのは、編曲者の優れた手腕による聴かせ所だと思います。3番A2にも変化後のパターンが採用されていますが、よく聴くと左chには重たく響くドラムスが、右chには主張の激しいギター("季節よ"のバックから顔を出して3番Bへと続くやつ)が追加されていて、聴き手を飽きさせない工夫の凝らし方に称賛を送りたいです。
メロディーのキャッチーさも素晴らしく、何処を切り取ってもサビとして成立し得るほどの聴き易さを誇っていて、アニメの主題歌として隙が無いなと絶賛します。
便宜上Aメロとした冒頭部もサビ始まりと言われればそう思えなくもない(上に埋め込んだBD-BOXのCMに使われているのもそこ)ですし、続く"OH~波、BAN、BA、BAN、BA~N!"のパートこそがフックとしての役割を最大限に果たしているとも感じますし、可愛らしい電子音が顔を出し比較的静かな印象になる"菜の花"のセクションもEDMで言えば「音数を絞ったドロップ」のような印象を受けるので特徴的ですし、やはり表題を含む"ブン、ブン、ブ、ブ、BU~N 黄色いバカンスよ"の部分を王道にサビとするのも素直な理解だという気がしますし、一文がこんなに長くなってしまうほどに語り尽くせない魅力に満ちあふれていると総括するのが吉ですかね。
次に『ぱにぽに』関連の楽曲を紹介出来るのがいつになるかわからないので(別に書こうと思えばいつでも書けるのだけどというセルフツッコミは扨置き)、名曲揃いの中からとりわけお気に入りのナンバーをこの機会に紹介しますと、柏木姉妹のキャラソンの「Link」と3rdOP曲の「少女Q」(共に2005)は昔も今もヘビロテの対象です。
前者はもろにWinkが意識されていて(先掲のガイドブック内でもこの旨は語られています)、80年代のアイドルソングが好物の僕的にはドストライクのナンバーでしたし、後者はテクノ歌謡という形容があてはまるような、これまた80'sを思わせるつくりになっているところが好みであったため、「黄色いバカンス」よりは年代が進んでいるとはいえ、僕のレトロ的な嗜好は当時(高校生の頃)から芽生えていたのだろうとしみじみ振り返ります。
【追記:2022.3.25】
桃月学園1年C組 feat. 上原都「少女Q」のレビューを更新しました。
【追記:2025.8.22】
作品音楽のサブスク解禁を記念しまして、元ネタであるWinkの楽曲を中心とした記事内に「Link」のレビューも織り込みました。
![]() | 黄色いバカンス 2,500円 Amazon |
※ 上のAamzonリンクに表示されている値段は定価以上です。
『ぱにぽにだっしゅ!』については以前にもこの記事の中で言及したことがあり、その中で「『ぱにぽに』も当然のようにDVD初回マラソンした作品ですし放送終了後しばらく放心状態になるくらいにはドハマリしていました。」と記しているように、第一次アニヲタ期の頃に(ギャグ・コメディ路線では)最も好きだったアニメと言っていいくらいのお気に入りでした。
作品自体の魅力を語り出すといつまで経っても音楽レビューが始まらない気がするのでそれらについては割愛しますが、その音楽だけを取り立てても作品が人気を博した理由を考察するのには充分だという認識で、歴代のOP/ED曲は勿論キャラソンやサントラに至るまでハイクオリティなナンバーが揃い踏みの状態であるため、ここを掘り下げることで魅力の一端でもお伝え出来ればなと思っています。
「黄色いバカンス」の最たる特徴は、GS(グループサウンズ)のマナーが取り入れられていることです。『試験に出る ぱにぽにだっしゅ! 公式ガイドブック』には音楽制作協力である進藤澄子さんへのインタビューが載っているのですが、そこでは「70年代青春ソング」という表現がなされています。これは新房監督からのオーダーに基いたものだそうで、氏の年齢を考えると60~70'sの流行はまさに世代ですよね。
僕はこの世代ではありませんがGSは好きなサウンドのひとつで、格好良さとコミカルさが同居する面白いジャンルだと捉えています。本記事のブログテーマは「アニソン(格好良い系)」にしていますが、実は「アニソン(可愛い系)」にしようかとも迷っていて、この「一言で形容出来ない感じ」がGSの奥深さを物語っているとしてもいいのではないでしょうか。加えてGSは「夏を演出するにはもってこい」だとも思っていて、アニメの放映開始が7月であったことも考慮すると時期としてもぴったりでしたね。
最終的に「格好良い」を選んだのはそこが最も主張したいポイントだからで、とりわけバンド隊の演奏力というか作編曲者である河合英嗣さんのアレンジ力を高く評価しています。楽曲自体のクレジットとしては「All Instruments」に河合さんの名前が載っているのみなのでこういう書き方をしましたが、多重録音と打ち込みの合わせ技だと推測した次第です。
最もツボなのは2番Aメロ・2回目でリズムセクションのパターンが大きく変わるところで、主旋律は据え置きのままアレンジの変化のみで異なる印象を演出するというのは、編曲者の優れた手腕による聴かせ所だと思います。3番A2にも変化後のパターンが採用されていますが、よく聴くと左chには重たく響くドラムスが、右chには主張の激しいギター("季節よ"のバックから顔を出して3番Bへと続くやつ)が追加されていて、聴き手を飽きさせない工夫の凝らし方に称賛を送りたいです。
メロディーのキャッチーさも素晴らしく、何処を切り取ってもサビとして成立し得るほどの聴き易さを誇っていて、アニメの主題歌として隙が無いなと絶賛します。
便宜上Aメロとした冒頭部もサビ始まりと言われればそう思えなくもない(上に埋め込んだBD-BOXのCMに使われているのもそこ)ですし、続く"OH~波、BAN、BA、BAN、BA~N!"のパートこそがフックとしての役割を最大限に果たしているとも感じますし、可愛らしい電子音が顔を出し比較的静かな印象になる"菜の花"のセクションもEDMで言えば「音数を絞ったドロップ」のような印象を受けるので特徴的ですし、やはり表題を含む"ブン、ブン、ブ、ブ、BU~N 黄色いバカンスよ"の部分を王道にサビとするのも素直な理解だという気がしますし、一文がこんなに長くなってしまうほどに語り尽くせない魅力に満ちあふれていると総括するのが吉ですかね。
![]() | ぱにぽにだっしゅ!ヴォーカルアルバム ~学園天国 2,876円 Amazon |
次に『ぱにぽに』関連の楽曲を紹介出来るのがいつになるかわからないので(別に書こうと思えばいつでも書けるのだけどというセルフツッコミは扨置き)、名曲揃いの中からとりわけお気に入りのナンバーをこの機会に紹介しますと、柏木姉妹のキャラソンの「Link」と3rdOP曲の「少女Q」(共に2005)は昔も今もヘビロテの対象です。
前者はもろにWinkが意識されていて(先掲のガイドブック内でもこの旨は語られています)、80年代のアイドルソングが好物の僕的にはドストライクのナンバーでしたし、後者はテクノ歌謡という形容があてはまるような、これまた80'sを思わせるつくりになっているところが好みであったため、「黄色いバカンス」よりは年代が進んでいるとはいえ、僕のレトロ的な嗜好は当時(高校生の頃)から芽生えていたのだろうとしみじみ振り返ります。
【追記:2022.3.25】
桃月学園1年C組 feat. 上原都「少女Q」のレビューを更新しました。
【追記:2025.8.22】
作品音楽のサブスク解禁を記念しまして、元ネタであるWinkの楽曲を中心とした記事内に「Link」のレビューも織り込みました。