ハレルヤ☆エッサイム / ガヴリール、ヴィーネ、サターニャ、ラフィエル | A Flood of Music

ハレルヤ☆エッサイム / ガヴリール、ヴィーネ、サターニャ、ラフィエル

 現在放送中のTVアニメ『ガヴリールドロップアウト』のED曲収録ディスク『ハレルヤ☆エッサイム』のレビュー・感想です。作中主要キャラ4名により歌われています。

TVアニメ「 ガヴリールドロップアウト 」エンディングテーマ「 ハレルヤ☆エッサイム 」/メディアファクトリー

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 今期アニメの主題歌はOPもEDも良曲が多く最近は当ブログもアニソンのレビューが多くなっていますが、この「ハレルヤ☆エッサイム」も2話で聴いたときから欲しいなと思っていたのでリリースを心待ちにしていた曲のひとつです。


 『ガヴリールドロップアウト』はこのレビュー記事の中でついでに書いた「人外アニメに関する一考」の中で名前だけ出しました。「毛色が違う」と但し書き付きなので若干ディスり気味に思えたかもしれませんが、気負わずそこそこ楽しく観ているアニメです。

 主要キャラ4人全員が良いキャラしていると思います。特にガヴリールみたいな口が悪くて基本やる気のない金髪を見ると『ぱにぽに』のベッキーを見ているようで懐かしい気分になる。笑

 ヴィーネがいちばん主人公している(人間界に普通に馴染んでいる)と思いますが全然悪魔らしく振舞えないのが可愛いし、ラフィエルとそのおもちゃ…じゃなかったサターニャのコンビも微笑ましくて好きです。


 そんな4人が歌う「ハレルヤ☆エッサイム」早速見ていきましょう。その前に各キャラのCV(実際の歌唱者)を書いておきますが、ガヴリール(富田美憂)、ヴィーネ(大西沙織)、サターニャ(大空直美)、ラフィエル(花澤香菜)です。特にユニット名はないんですね。

 もう一つ思い出したので書きますが、CD発売週の放送が特殊EDで普段のED曲が流れないという采配には驚きました。そこは流しとこうよと思った。笑


01. ハレルヤ☆エッサイム



 まずタイトルが良いよね。"ハレルヤ"と"(エロイム)エッサイム"が同居しているところがこの作品を象徴していると思います。表示できないので"☆"で代用していますが、ジャケ写の☆も本当は白と黒が互い違いに出てくるデザインになっています。


 クワイアとチャイムが特徴的な宗教感溢れるイントロで厳かに幕明けと思いきや、極短のミュートがリズムを刻んでロック調のサビからスタート。

 CDの帯にも(括弧内を除いた)サビの歌詞"わたしたち/好きなことだけして/生きてくと決めたの"が印字されていますが、この曲ひいてはこの作品を総括する歌詞といってもいいですね。天使性・悪魔性をも捻じ曲げる人間界の恐ろしさよ。笑

 続く"あなたも 劣等 Let's Try ドロップアウト"という誘惑的な歌詞も凄く好き。能動的な"ドロップアウト"は褒められた行為だと個人的には思います。韻の踏み方も素敵。


 Aメロの前に台詞というか報告のようなパートがありますが、ここがめちゃくちゃツボです。次に更新予定のアニソン記事でも同じことを書くと思いますが、複数人で好き勝手に歌って若干不協和音気味になるのが今期はお気に入りみたい。

 ここはアニメではやけに聴きとりにくいなと思っていたら天使サイドと悪魔サイドで違うことを喋っていたんですね。アニメではほとんど天使サイドの歌詞(主にラフィエルの声)しか追えていなかったんだとわかりました。そこは流石声の通る花澤さんと言うべきか。

 イヤホンにしたらきちんと全員分聴き取れました。ガヴリールのやる気が全く感じられない作りになっていることもわかって満足です。笑 悪魔サイドの"善力で悪ぶってます!"という表現が地味に巧い。もちろん"かしこ!"が揃うのも大好き。

 ここのバックトラックはアニメで聴いた時はもう少しチップチューン寄りかと思っていたのですが音源で聴くとそこまでではなかった。でもここのメロディを弾いているシンセは存在感あってお気に入りです。実は良い不協和音の立役者はこの音か?とも思います。


 Aメロは各人を象徴する歌詞に他3人がツッコミを入れる(ラフィエルは更に高みから憐れむ)という自己紹介的な流れですね。カンカン鳴っているカウベルも良い味出している。後半からはギターロック色が強くなってノリも良くなっていきます。

 そこからどういうBメロに入るのかと思ったら、イントロの宗教感が帰ってきて意表を突かれました。Bメロは歌詞もメロディも非常に好みで、この曲を買おうと思った動機はここか先述の台詞パートかというぐらいです。

 アニメEDの映像込みで好みなのかもしれませんが、"天使の名の下に"に重なるように来る"悪魔の名の下に"が素晴らしく、こういう一人では歌えないメロディに弱いです。サイドからスッと入ってくるの良いよね。


 間奏はスクラッチ音成分が入っているのかキュッキュッと鳴るシンセが暴れ回りますが、続いて放たれるCメロの美しさとのギャップは狙い通りの効果が出ていると思います。ここでこんな美メロが!?と思いましたもん。笑

 ということで旋律の美麗さ、歌詞の清らかさ、アレンジの神聖性と三拍子揃って素敵なCメロです。ベタですが"駄目なあなたも"でメロディに微妙な変化が加わるところがとても良いと思います。こういう良い予定調和は王道と呼ぶべきですね。


 次に落ちサビが来ますが、ここの歌詞には『けものフレンズ』人気の要因分析で言われているような"全肯定"の概念が見られます。"どんなときも/わたしは わたしだし/あなたは あなたでいい/まるごと 肯定 肯定 ポジティブにね"。

 この全肯定の姿勢はキャバ嬢のトークに似ているというユニークな分析も話題になりましたが、どちらかというと仏の教えに近いのではないかと思います。

 一応天使と悪魔を扱っている作品なのでキャラはキリスト教的な行動原理で動いていると思いますが、降り立ったのは人間界の日本(浜松市モデルらしい)なので仏教思想に染まるのも然もありなん…といったような背景があるとすれば結構深い歌詞ではと思いました。笑


02. 逆転Devil & Angel

 c/wはサターニャとラフィエルによるデュエットソング。ちなみにOP曲収録シングル『ガヴリールドロップキック』のc/wが「反転Devil & Angel」で、こちらはガヴリールとヴィーネによるデュエットのようです。

 ゴリゴリのイントロで幕開け。なんてったってクレジットにshoutが記載されているぐらいですから。笑 シンセが暴れているのでバキバキ系でいくのか、シャウトからの流れでデスメタル系でくるのかソワソワしましたが、全体的には少しメタル感のあるロックナンバーという感じですね。


 歌詞はラフィエルにいじられるサターニャといういつもの光景がそのまま描写された感じで、歌唱も仲良く交互に行われます。

 メロディで好きなのはBメロ("「てんし」"~のパート)です。ラフィエルの透き通る声が空間を埋めていくのが心地好い。そこに割り込んでくるサターニャの安定しないメロディも味があっていいと思う。笑



 以上です。好きに書いていたら「ハレルヤ☆エッサイム」のレビューが長文すぎて自分でも驚きました。こんなにアウトプットしたいことがあったとは…。自分が思っている以上に「ハレルヤ☆エッサイム」はツボだったようです。

 ということで言いたいことは言い尽くしたのでまとめ的なことは書かずにこれでおしまいとします。OP曲もまぁまぁ好きなので配信で買ってここでついでにレビューしようかとも思っていましたが、たぶんそれも長くなりそうな気がするのでやめておきます。笑