<前編>からの続き・・・
●顧客(法人)の見つけ方
<ステップ1> ホームページ等、情報発信環境を整備する
まず、BtoBのビジネスをしたいのなら、自社のホームページ(HP)で情報発信する環境を作る。どんなに規模が小さい会社でも、今のネット時代にHP等の情報発信の環境があるかないかで企業イメージがかなり変わる。企業間で新たに取引を開始する場合、通常相手のHPを確認する事が多い。HPを持たない会社は「ホームレス企業(?)」と思われ印象が悪くなる。
HPの作成は外部へ委託することもできるが、お金をかけられないというのなら、グーグル,Jimdoなどで、無料で作成・運用できるツールがあるのでそれらを利用して、自社のPRや設備、これまでの宝石の作品集を写真で掲示しておく。
<ステップ2> HWISの求人票を確認する
次に、(これからは多少アナログっぽいやり方になるが・・・)できれば近県、なければ全国で(今回は)宝石加工の求人がでていないかハローワークインターネットサービス(HWIS)で確認する。
(検索操作が面倒であれば、フリーワード検索機能を利用し、「宝石加工」で検索すればよい)
ハローワークの求人票には必ず会社の規模(資本金や従業員数、設立年)や社長名、住所、電話番号、URL、メールアドレス等の連絡先の他にも、前年度の賞与の実績や平均の時間外労働時間も載っていたりして、求人を出すくらいの企業だから、仕事はあり、そこそこ儲かっているはずである。
<ステップ3> 社長あてにDMを送る
その会社の社長さん宛てに、雇用ではなく請負で仕事をさせてほしいと手紙(☆)かメールを送る。その際、作品集や取引実績、自社URLやQRコードを添付する。(メールもよいが、スルーされることが多く訴求力に欠けるので、できれば手紙がお勧め)
☆サンプルイメージです。ご参考までに。
<ステップ4> その後、できれば、電話でフォローをする。
おそらく「せんみつ(※)」の世界になるかもしれないが、じっとして何もやらないよりはましでは・・などとアドバイスしてみた。
(※)1000分の3、1000通送って反応があるのが3件 という意味
【参考】なお、求人を出している企業が少なければ、一応、対象の顧客先になりそうな業界の企業を下記サイトから地域や業種、会社規模で検索することもできるが(一部有料)、逆に数が多すぎたり、儲かっている会社かどうかは不明なので絞り込むのに苦労するかもしれない。
●HWISの求人票は「顧客情報の宝庫」
「ええこと聞いたわ、参考にするわ」と言って、結局、全国ベースの宝石加工の求人票を受け取って、自分自身の職業相談もすることなく急いで離窓された。(なんか損をした気分・・・)
あまり大きな声ではいえないが、この相談を通じてHWISの求人情報は、求職者むけ以外にも、こうして自営業者・フリーランスの法人顧客開拓にも活用できるのではないかと感じてしまった。
今回の宝石加工以外にも、WEBデザイナーやシステム開発など、テレワークが可能で場所を選ばない仕事など、起業している同じ業種の求人を検索することで前述のように雇用ではなく請負の顧客開拓のツールとしての利用できるかもしれない。
また、士業の顧客開拓などにも、得意な業界に絞り込んで顧客発掘に活用できるかもしれない。
今回はあくまで顧客開拓の一つの方法論としての可能性を示したものだが、もし顧客(法人)の開拓方法に苦慮しているのであれば、参考にしてもらえれば幸いである。
●内職は紹介できません
なお、前述の通りハローワーク(HW)の職業紹介事業は原則、雇用契約を締結することが大前提である。
従って、家族の介護や自身の持病のため、在宅の仕事を希望するがパソコンやスマホに疎い相談者から「内職の仕事はありませんか」という相談を何度か受けたことがあるが、請負契約となるので残念ながらHWでは斡旋はできないと回答していた。
ネット上の内職サイトでは時々見つけることができるが、地方では材料の受け取りや完成品の納品には自家用車が必要になることも多く、なかなかハードルが高いようだ。