●目標をもってがんばる人はかっこいい
31歳 女性。司法書士事務所の求人を持参し、応募したいと来窓。
聞くと、穏やかな表情で、司法書士の試験に8年かかったが、ようやく合格して、これから実務経験を重ねてキャリアアップをしていきたいとのこと。
職歴をみると、この期間「コンビニの店員」とだけ書いてあった。
人生で一番遊びたい・恋愛をしたい娘盛り(古い言い方でお許しください)の20歳代を司法書士の資格試験の勉強に費やし、コンビニのアルバイトで生活費をかせぎながら8年間がんばってきたのである。
「よく耐えましたね、がんばりましたね」とねぎらいの言葉をかけていた私も、うるっときてしまった。
ハローワークの窓口には、このように将来開業したい・起業したいという志をもって、資格試験に新たに挑戦する人や、30歳を過ぎてからも、若いころ一旦あきらめた保育士や看護師の夢を忘れられずに、資格取得にむけて新たに学校に入学しようとする人も来た。
その中には、正社員だったのに退職して、志を実現するため自ら退路を断ってくる人もいた。
応募しようとする仕事は、勉強時間の確保を優先させるため、パートも含め、資格とは全く関係のない職種もあったが、目標に向かって仕事を探す人は、清々しさを感じて、心から応援したい気持ちになった。
・資格の勉強は、途中で挫折したら最初から何もしなかったことと同じになる。
・ものごとを始める時期に、「遅すぎる」ということはない。
・努力すれば合格するのではなく、合格するまで努力するのである。
かくいう私も、50歳代から社労士に挑戦をしはじめ、ン年間不合格が続き、何度も挫折しそうになったのだが、この言葉に励まされて、衰えていく記憶力と集中力・体力と戦いながら、なんとか合格した経験がある。
こういう人が相談にくると相通じることがあったので、つい肩入れしてしまい、普段より時間をかけて、より丁寧に求人情報を提供したり、採用になるための相談に応じていた。
目標をもってがんばっている人たちは、本当にかっこいいとつくづく思う。