●転職・再就職に自信がない? ◇多数◇

 はじめて転職する人や久々に就職活動をする人の中には、謙虚すぎる人や自分に自信をもてない人など、応募に対して非常に慎重な方がおられる。

 自分の職務経験、能力・資質、さらに年齢がその仕事に通じるのか不安なのである。

 ただ、こういうことは結局、応募してみないとわからない、働いてみないとわからないのだが、その前に、不安ばかりが先に頭によぎり応募を逡巡する人たちである。

 「石橋を叩いて渡る」前に、その石橋を自分で叩き割って渡られなくなる人とも言える。

 

 

 その根底には、不採用になると自分を否定された気持ちになったり、社会から必要とされていないのではと落ち込んでしまい、喪失感を味わうのがつらいという思いが強すぎるのかもしれない。

 

●不採用を恐れるな!

 そういう相談者には、

・勤めていたハローワークの紹介成功率は約20%であること(全国のハローワークも地域によって多少の誤差はあるが、だいたいこの前後の紹介成功率である)、つまり、平均だが5社応募しないと採用にならない。1,2社不採用になったくらいで落ち込むことはない。

・不採用は、結婚相談所のお見合いパーティと一緒で、単なるミスマッチであって気にしなくてよい。

 などと励まし、弱気で消極的な人には、ダメもとで「下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる」作戦で積極的にどんどん応募するよう励ましていた。

 

 紹介成功率が約20%という数字を聞くと少し安心するみたいで、前向きな気持ちになって応募してくれる相談者も多かった。

 

●とはいえ・・・

 ただし、ずーーーーーと不採用が続いている人たちには、この数字は死んでも言えなかった。

こういう人たちには(虚しさを感じながらも)

「朝が来ない夜はない、春が来ない冬はない、粘り強く応募していきましょう」と、別の言い方で励ましていた。

 

 何社応募しても不採用が続く人はそれなりに理由があるのだが、それをダイレクトに伝えると、本人のプライドを傷つけたり、感情的になって怒り出したりする人もいるので、オブラートに包んだ言い方をするようにしていたが、真意は伝わらないことが多かった。

 本当は、何を言っても絶対怒らないと約束してもらえれば、忌憚なく不採用の理由や本人の問題点を指摘できるのだが・・・。

 

「あなたの能力と年齢では、持参した求人に応募しても採用はされません! もっと、あなたの能力と年齢にあった分相応の求人を選びなさい!」

 一度でもいいから、言ってみたかったセリフである。