第22話、第26話で 法律を知らない・守らない経営者たち をテーマに事業所側の問題点をとりあげたが、求職する側にも、マナーを守らない応募者がいる。
●甘受してほしい採用リスク
紹介状を発行した手前、事業所から「何という人を紹介してくれるの!」と厳しい口調でクレームを受けることがあった。
ハローワークとしては、応募希望者には、事業所の了解が得られれば紹介状を発行しなければならない。応募する人物を保証するものではないのでどうしようもないのだが、事業所の気持ちはよく理解できる。事業所もハローワークに言っても無駄だとはわかっているのだが、一言、言いたいのだと思う。そういう場合には、採用活動における「許容リスク」として甘受してほしいと丁重にお願いしていた。
多い苦情としては・・・
・指定した時刻に面接にこない。電話しても通じない。時間を空けて待っていたのに無駄になった。
・13:00の面接に、12:15に来た。(相手の都合考えない)
・正社員の面接に、ジーパンとTシャツで来た。(自分の会社を軽く見られている)
・履歴書の写真がどうみても5年以上前の写真にしか見えなかった。(すぐ手抜きしそう)
・内定を出し、明日から勤務というときに辞退するとの連絡がはいった。
・採用して3日で突然出社しなくなった。理由不明、本人に電話をしても通じない。
・採用する際に、現場も見せ、体力的にきついけど本当に大丈夫かと何度も確認して「大丈夫、できる」といったのに、1日で根をあげて辞めた。(特に高年齢者が多い)
などなど
●いい迷惑
採用前にわかればまだましだが、一旦内定を出し、受け入れ準備を整えて、制服等も用意したのに突然辞退されたり、社会保険の加入手続きもしたのに、入社してすぐに無断欠勤し、そのまま短期間で辞められたらいい迷惑である。
採用する側の「人をみる目」がなかったと言ってしまえばそれまでであるが・・・。
事業所からの連絡があれば記録に残し、その後、もし本人がハローワークに来所したときに、理由を聞いたり、それとなく注意したりはしているが、ほとんどの人はそのままスルーするか、言い訳がましい理由を言って、あまり罪悪感を感じる風の人は少ない。
こういうビジネスマナーやルール守れない人はごく少数だが一定の割合で存在する。社会活動に対する適応能力が著しく低い人か、かくれ精神障がい者の可能性がある。おそらくこのままでは就職は難しい人たちということになるのだろうが、どうしようもないのが実情である。
求職者にも 良識ある行動が求められている。