●応募書類はどう書くの(高齢者編) ◇65歳 男性◇

 ハローワークの相談窓口では、履歴書や職務経歴書の添削を頼まれることが多い。

 自分で書いたものを他人にみてもらうことは、採用率を上げるためも効果的である。

 面倒くさがらず、一度窓口で相談してみてほしい。

 私も、窓口で履歴書や職務経歴書の添削をよく頼まれた。

 

 応募書類の書き方は専門書籍やネットでもサンプル等が公開されているが、自分のことになると、特に志望動機と自己PRは、どう表現してまとめていくのかが一番迷うところである。

 特に、高年齢者で履歴書を書くのはン十年ぶりという人もいて、なにを書いていいか想像もつかないので困っているとの相談も多い。

 

 眼鏡販売店の店長経験者で、定年退職した65歳の高齢者が、マンション管理人に応募したいと来窓。とりあえず、自分で作った履歴書の志望動機欄を見せてもらうと・・・

 

 志望動機・自己PR欄に

 『年金だけでは不安で、自分でもできそうな仕事だったから。しかも家が近いから応募しました』

とだけ書いてあった。 

(きつい言い方になるが)「正直」の上に「バカ」がついてしまう表現である。実際はそうであっても、書いてはいけないことがある。

 思わず、

 「これでは、採用担当者になにも響かないですよ。いろいろ苦労されてきたはずですし、これまでやってきたことを整理しましょう。特にマンション管理人は住人とのコミュニケーションが大切なので、しっかりそこをアピールしていきましょう。」といって、職務経歴をヒアリングしながら、とりあえずまとめてみた。

 

志望動機 自己PR欄(修正版)

『定年退職後、店長経験で培った、店舗の統括管理業務、お客様からのクレーム対応などの経験が活かせると思い応募しました。 私はこれまで、規律を守り、周りとのコミュニケーションと協調性を重視し、誠実に仕事に取り組んでまいりました。歳は重ねておりますが、気力や健康面でも支障なく、引き続き働きたいと思っております。』

 

「65歳になるとそんなに難しいことは書かなくていいのだが、せめてこれくらいは書いてほしい」と説明し、これをプリントして、手渡すと、

「参考になるわ、これを少し自分なりに書き直して応募するわ」といって帰っていった。

 

 その後、確認すると、幸いこの方は、採用になっていた。

 

●大切なのは面接

 なお、応募書類はあくまで一次選考であって、面接の方が重要であることは忘れてはならない。

いくら優れた応募種類を作成しても、面接でいい印象をもってもらわないと採用にはならない。

 

 この方は、人柄も温厚で誠実そうな方だったことから、書類選考が通れば、面接ではいい印象を持ってもらえることは予想できたので、支援した甲斐があった。

 

 ※これ以外にも 応募種類の書き方については 追々触れていきたいと思います。