●生活保護はいや!一周回ってしまった高年齢者

 68歳 男性 就労意欲がつよく 週2回は来所して、応募の相談にくる高年齢者。

 ただ、軽い脳梗塞をわずらったことがあり、言葉がやや聞き取りにくいうえに動きが緩慢である。

 これまでパートの軽作業で50社近く応募しているのだが採用にいたらない。

 年金だけでは生活が苦しく働きたいとのこと。

 

 

 生活が苦しいのであれば生活保護を受けることもできると説明しても、自家用車を手放したくないし、兄弟に確認の連絡が入るのがイヤとのことで何とか働きたいというのである。

 

 本人の気持ちを尊重し、いろいろ軽作業で検索して紹介し応募するのだが採用にはいたらない。

  最近では応募した会社が一周回って、以前不採用になった企業にも、知らずに応募しそうになっている。

 この人の場合、相談員の中でも、応募する場合、2年くらい遡って応募(不採用)履歴がないか確認することが申し合わせ事項となっていた。

 だんだん元気がなくなってきており、気の毒になるのだがどうしようもない。

 

 ハローワークには (第13話でも述べたように)年金では生活できないシニアが数多く来所される。

 そんな中でも生活保護だけはうけたくなという、プライドをもっている人も多い。

 尊重したいのだが、さすがに70歳以上で新規採用ということでは、ほぼ紹介できる仕事がなくなるという厳しい現実がある。

 生活保護については不正受給の問題がよく話題になるが、就労が難しく、本当に困っている人には堂々と申請してほしいと思う。