●年金保険料は払っておきましょう◇72歳 男性◇

 現在、朝3時から6時まで近所の魚屋で鮮魚調理の仕事を手伝っている。Wワークでもう少し働きたいというので来所。

 

「70歳すぎて、Wワークはつらいのでは?」と声をかけると、

「実は・・・」とはずかしそうに話を始める。

 若気の至りで年金保険料を払っていなかったため年金が受給できない。妻は少額だが年金を受給しており、毎日、妻からそのことをなじられもっと働けと言われてここに来たとのこと。

 

 

 自業自得とはいえ、70歳すぎても妻からWワークで働けと言われつづける相談者に、少し同情してしまった。ただ、残念ながら70歳を過ぎて条件にあう調理の仕事は見つからず、調理以外の送迎や警備の仕事も、年齢を理由に応募できず、そのままさびしそうに帰宅されました。

 

 年金については、特に若い人は、保険料を支払っても、これから歳をとっても本当にもらえるか怪しいなどと、いろいろ批判する人もいるが、受給する国民年金や厚生年金の基礎年金分の半分は国庫すなわち税金で補填されていることを忘れてはいけない。(早死にすれば別だが)払った保険料以上に年金がもらえるということである。

 もちろん、年金だけでは足りないかもしれないが、無いよりましである。

 

 70歳をすぎても年金と貯蓄だけでは生活できなくて、ハローワークの「生涯現役支援」窓口で仕事を探しにくる人を数多く見てきたが、70歳を過ぎてからの仕事探しは本当に難しく、実際に仕事に就ける人はごくわずかあることも知ってほしい。

 

 本来なら、年金と貯蓄で、ささやかながら、静かに老後を過ごしたいはず。

 そのためにもやっぱり、年金保険料はちゃんと払っておきましょう。