●コミュニケーション障害? ◇24歳 男性◇

 大学を卒業後、定職に就かず(就けず?)、2年間、郵便局で荷物の仕分けのアルバイトをしている若者が来窓。

 給与:28万~45万、業務内容は経営企画、営業戦略立案、人材育成等と書かれた求人票を2枚持参して、平然と応募したいというのである。

 

 

 「ところで、大卒の初任給の相場はいくらか知ってるの?」と尋ねると 全く知らないという。

 応募しても採用は難しいのでは? という私の指摘にもピンと来ないのか、

「えっ!なぜ?」という表情。

  よくみると、この2年間応募はするものの、すべて不採用になっていた。

 

 企業がどんなキャリアをもつ人材を求めているのか、よく考えて出直すようアドバイスをしたが、どうしても応募したいというので、とりあえず紹介状は発行したものの、当然、書類選考で不採用になった。就活というものを全く理解していない印象をうけた。

 

 ハローワークには若者を支援する専門窓口があり個別支援も可能なのだが、その利用を勧めると頑なな態度で、拒否するのである。

 

 理由は不明だが、人に頼ることは自分の弱みを見せるみたいで嫌がっている節がある。一種のコミュニケーション障害(コミュ障)かもしれない。

 

 コミュ障の人からの応募書類の書き方や面接対策などは、これまでよく相談をうけてきた。率直に、他人と話すのが苦手で困っていると言ってもらえれば、いろいろアドバイスができるのだが・・・

 

●若サポを利用しよう

 この他 学校卒業後、職業人生のスタートに失敗した若者にも 地方の公共団体かNPO法人が運営する地域若者サポートステーションがあり、おなじ悩みを持つ若者が集まり、いろいろ意見交換などお互いを刺激したりして社会参加(就職)を果たしていくという手立てもある。

 

 自己理解が乏しく、自己解決もできないまま、人に頼ることに抵抗を感じる若者の場合、正社員への道がますます遠ざかることになる。早く気づいてほしいと願うばかりである。