(関西弁の会話をそのまま記載していますのでご了承ください。)

 

●ちょっと怖い人  ◇40歳前半 男性◇  
 板金工への応募したいと自選した求人票をもって窓口へ。

いすに座るなり、ハローワーク中に聞こえるような大声で、

 

「おれな、最近まで覚せい剤で刑務所に入っとんたんや。

   出所して今日は(保護観察)施設から来たんや

 

 

周りの来所者が驚いたようにこちらを見る。

思わず、「もう少し小さい声で話しませんか」 と言うと

 「別にかまへん。それより、はよ、この求人の紹介状だして、すぐ面接にいってくるわ」

 「まあまあ・・・あわてないでください。 先方に応募の了解をとる必要があるので、まずそれが先ですよ」

 

 よくみると、上の前歯1本残して歯がない。

一瞬、頭が真っ白になったが、平静を装いながら急ぎ事業所と調整して面接日時を設定し紹介状を交付して、お引き取りいただいた。

 応募先の担当者は 本人が面接に来た時、さぞかし驚かれたのではないかと思われる。

 

 なお、ハローワークには、こうした方(刑余者)を支援する専門援助相談窓口がある。

次回来所したときはそちらへ誘導するつもりだったが、その後来所されることはなかった。

 私の職業相談歴6年のなかで、これ以上の人とは出会わなかった。