今回は神奈川県のT様宅、オーディオルームのアナログプレーヤー(レコードプレーヤ)置台として、木製の置台の受注がありました。

外観は正面から見るとH型でサイズはW600×D500×H690の木枠です。
角材を指定の長さに切断しホゾ組で仕上げます。

材料は、桧(ひのき)の角材 4面背割り100mm角×3mを2本
この材料はあきる野にある製材所で乾燥済みの原木から製材したもので芯もちの材料を仕入れました。

多摩地区で伐採された桧だそうです。
主に在来工法の大壁の柱として使われているものです。
とにかく桧のいい香りがいいですね。

まずはホゾ加工部分です。
寸法をきちんと出さなくてはいけないので、エッジ部分の
切断は1.5~2.0mm大目にカットし墨線を半分残すくらいの
シビアさで鑿でエッジ部分を加工しています。
(大型工作機械はないので、切断面のばらつきを補うためここは手加工です
ホゾの根元へ向けて内側は深くしています。
 
 

次にほぞ穴加工です。
角のみ盤はないので、ドリルで穴をあけ鑿で加工していきます。
 
 

これらを組み合わせるとこんな感じです。
 

これを左右対称に作りつなぎの桟を組み合わせて完成です。

仕上げは塗装なしですので、表面の仕上げを行いますが
その前に「打痕」の修理方法をご紹介いたします。

ご存知の方もいらっしゃることと思いますが、参考に
赤枠内が木の表面についた凹み(通称打痕といっています)です。
 

湿らせたウエスをあてアイロンを当てるとジュとなりますが
 

これだけで、凹みが解消されます。
 

このようにして修理を行いサンドペーパー掛けをして仕上げました。
最後に木工ボンドを介し組み立て、ステンレス木ねじで補強を入れて頭は10φの桧ダボを加工し埋めています。
完成です。↓
 

がっしりとしています。重量は約23㎏でした。

さていよいよ納品設置です。
このようにプレーヤーを設置します。
プレーヤの下側には制振台としてラバーや特殊な材料をそのまま載せています。

このお部屋のオーディオ装置をT様の許可を得て掲載させていただきました。
 
CDを試聴しましたが、実にいい音です。
アナログレコードの音はまだいろいろご本人の加工があるらしいので次回に期待します。

おまけですが、お部屋には試作のスピーカー端子盤がありました。
 
とにかくずっしり重い・・
すごいです。

オーディオで本当にいい音を聞くとやみつきになります。

私も昔を思い出しながら聞かせていただきました。
T様は、さらにいい音を求めて趣味の世界は広がるばかりですね。
プレーヤー置台にご満足頂きました。
今回は木工のお仕事に感謝です。