こんばんわ。
evolokuyです。
4連休が始まりましたね。
いきなり初日に起きて、テレビを付けて曜日を間違えましたwww
「あ、木曜日か。」
ズムサタと思ったら、Zipやってました(笑)
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今日は先週の土曜日に放送されました第3回AbemaTVトーナメント本戦第三試合
チーム渡辺vs.チーム糸谷について振り返っていこうと思います。
改めてチームメンバーを見てみましょう。
チーム渡辺【所司一門】渡辺明二冠、近藤誠也七段、石井健太郎六段
チーム糸谷【フォーカス+1】糸谷哲郎八段、高見泰地七段、都成竜馬六段
予選を振り返ると、
チーム渡辺は予選Bリーグを-1ポイントで2位通過。
チーム糸谷は予選Cリーグを1ポイントで1位通過。
良い勝負とは思うが、地力を発揮するとチーム渡辺が一歩リードというところか。
注目の振り駒の結果、チーム糸谷の先手番でスタート。
【1局目】近藤誠也七段-糸谷哲郎八段(先)
いきなりのリーダー登板
チーム糸谷は先制パンチを目指して、糸谷リーダーがいきなり出陣!
戦型は角換わりで、先手が早繰り銀、後手が腰掛け銀で対抗。
前例もある展開だったが、糸谷八段が軽快な指し手で押し気味に進めていく。
近藤七段は玉を固めてチャンスを待つ展開を選択した。
糸谷八段が順調に攻めたように見えたが、攻め合いに持ち込んだのが悪かったか。
後手の近藤七段がリードで迎えた上図の局面。ここが勝負の分かれ目。
ここで糸谷八段は受けてもきりがないと見て、▲4一飛と攻め合いを目指した。
ただし、ここは△7七桂と打ち込まれてみると厳しかった。
7七の地点で清算して決めるところまで決めて△5四金と手を戻して勝勢に。
図の局面では▲7六馬と受けた方が勝った。やはり△7七桂が大きかった。
最後まで糸谷八段が怪しい粘りで食い下がったが、近藤七段が寄せ切った。
チーム渡辺は幸先の良いスタートを切った。
【2局目】(先)渡辺明二冠-都成竜馬六段
驚異の追い込み、二冠を誤らせる
チーム糸谷は初戦からリーダー登板だったが、チーム渡辺もここで渡辺二冠が登板。
後手の都成六段が得意のダイレクト向かい飛車に進めるのかと思いきや、
序盤の駆け引きで居飛車を選択。先手が矢倉、後手が雁木の出だしとなった。
手出しの難しい将棋でどのように進むのかと思われたが、
渡辺二冠は▲9八香から徐に穴熊へ囲いだした。かつて非常に得意とされた囲いである。
都成六段が端に戦力を集めて、穴熊を直接攻め立てて後手がリードを奪った。
しかし、渡辺二冠もうまく攻めをいなして、攻めが止まった瞬間にカウンターを仕掛ける。
次第にペースを奪い返して、先手が優勢と言える局面を作り上げた。
そんな流れで迎えたのが、上図の局面。
飛車と香車の利きを活かして4筋から猛攻を仕掛けた。
しかしながら、先手玉に目を移すと△7七角成からの詰めろが掛かっている。
渡辺二冠の快勝になりそうな局面もあったが、都成六段が勝負手を連発し、
局面としては先手が優勢だが、一手間違えれば逆転する局面だ。
ここで渡辺二冠は▲4二金△同玉▲4三歩成△5一玉▲9五角△8四桂と進めたが、
先手玉は詰めろのまま、一方後手玉は詰めろが行かなくなった。
私は観戦中、▲6三角が第一感で7八に金の質駒があるので寄りだと思っていた。
実際に図の局面で最善は▲6三角だった。△同金なら▲7八飛が詰めろ逃れの詰めろ。
渡辺二冠ほどの棋士でもこの条件下での対局だと見落してしまう恐ろしさを感じた。
凄まじい追い込みで大逆転の都成六段が勝って、チーム糸谷が1勝1敗とした。
【3局目】石井健太郎六段-高見泰地七段(先)
一瞬で突き放す
3局目はお互いに初登場同士の対決。
戦型は相矢倉かと思いきや、後手の石井六段が雁木で変化球を投げてきた。
高見七段は早めの▲4六角で△6四歩を突いていない形を咎めに行く。
まだ本格的な戦いが起こっていない上図。ここで石井六段が切れ味鋭い攻めを見せる。
それが△4五桂▲4六銀△5六歩。この3手一組の手順が妙に受けにくい。
直接的な狙いは5七で駒を清算した後の△4八角。意外とこれが受けにくい。
▲3五歩と▲5六飛を用意したが、△5七歩成▲同銀△同桂成▲同金△4八角
▲5六飛△4五銀と進むと飛車が狭い。
高見七段としては悪い手は指していないが、石井六段がうまく手順を組み立てた印象。
後手が優勢になってからは少しずつリードを広げていき、
最後は一手余して勝ち切った。これで再びチーム渡辺がリード。
【4局目】(先)近藤誠也七段-都成竜馬六段
居飛車の作戦勝ち、そのまま押し切る
チーム渡辺は素直に順番通り、チーム糸谷はリーダーを温存し、都成六段が再登場。
後手の都成六段が角交換四間飛車に進めた。
ただ、序盤の駆け引きでやや振り飛車が損をした展開で進む。
近藤七段は急所の6六に角を据えて、攻めに守りに大きく利く駒が威張った形。
振り飛車の陣形に進展性がなく、居飛車に指したい手が多く、はっきり作戦勝ちに。
居飛車優勢のまま図の局面を迎える。
都成六段はプレッシャーをかけようと△6九馬と入ったが、
▲3八飛△3二歩▲3九飛の組み合わせがうまい手順だった。
馬の当たりを回避しながら手番を握って、▲8三歩~▲7五桂の攻めを間に合わせた。
以下は近藤七段が危なげなく押し切って、チーム渡辺が3勝1敗に。
【5局目】渡辺明二冠-高見泰地七段(先)
二冠、痛恨の落手でチャンスこぼす。
ここでもチーム糸谷は糸谷リーダーを温存する作戦。
渡辺二冠が作戦会議室で呆れる顔が印象的だった。
将棋は相矢倉に進み、先手の高見七段が得意の土居矢倉を採用。
後手の渡辺二冠は手詰まり模様を見て、再び穴熊に潜ることを決断。
途中、高見七段が繰り出した▲9七角が妙手で、3一の金を睨んでいる。
渡辺二冠もうまく6筋に拠点を作って対応。後手が一歩抜け出した。
そのまま後手がリードしたまま迎えたこの局面。
ここで渡辺二冠は△6四桂と打ったが、これが大悪手。
▲6五玉と入り込まれて、6三の金を助ける手が難しい。
寄せと入玉阻止の両方を実現する手がなくなり、再逆転となった。
図の局面では反対の△4四桂が正着。これで決めるところまで決めて、
△5七竜と金を取れば優勢を維持できた。
6三の金を拾うことに成功した高見七段が玉を上部脱出させた。
最後は渡辺玉に一直線に攻めかかり、寄せ切った。
チーム糸谷が1勝を返して、2勝3敗に。
【6局目】(先)石井健太郎六段-都成竜馬六段
際どい終盤戦、致命傷の逃げ間違い
チーム糸谷はまだリーダーが出てこないw
都成六段6局目にして3度目の登板。再び角交換四間飛車に。
石井六段は銀冠で対抗。対して都成六段も銀冠で対抗。
中盤戦では都成六段がうまく仕掛けて馬を作ったが、
石井六段も作ったと金を最大限活用する手順で均衡を保つ。
終盤戦で迎えたこの図。ここが勝負所。
△6三玉と逃げたのだが、▲6五桂と跳ねた手が▲5三金までの詰めろ。
ここで先手に形勢の針が振れた。
図の局面では△8三玉と狭い方に逃げるのが正着だった。
危ないようだが、直前の▲7九歩が危ない手で、詰めろが掛からなければ、
次に△7九角成からの寄せがある。より詰めろが掛からない方に逃げるのが良かった。
ギリギリの終盤戦を石井六段が制して、チーム渡辺が準決勝進出に王手を掛けた。
【7局目】渡辺明二冠-高見泰地七段(先)
渡辺リーダー、“勝利打点”を挙げる
オーダー発表直後の作戦会議室、渡辺二冠はまたまた苦笑い。
チーム糸谷、カド番を託したのは3局目の高見七段。
5局目と同一カードで戦型も同じく相矢倉で、高見七段は土居矢倉を採用。
先程は穴熊に潜った渡辺二冠でしたが、今回は銀矢倉に組み替えた。
中央での小競り合いが続いたが、渡辺二冠が得意の細い攻めを繋ぐ展開に。
少しずつ着実にポイントを積み重ねていき、徐々に後手優勢な局面へ進む。
ハイライトはこの局面。実はこの局面は互角の形勢に戻っている。
直前の渡辺二冠が桂馬を成ったのが決めすぎで、形勢を損ねていた。
本譜は▲4二銀から激しく寄せに行ったが、これが敗着に。
玉を下段に落とすことはできたが駒が足らず、逆に先手玉を寄せられてしまった。
高見七段が局後のインタビューでもおっしゃっていたが、
▲2九飛と引き上げておくのが最善だった。
フィッシャールールの中で緩急自在な指し手を要求される厳しさを感じた。
渡辺二冠が最後にリーダーの意地を見せて、5勝目を挙げて団体戦の勝利を決めた。
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最終成績は5勝2敗でチーム渡辺が勝利した。
渡辺二冠が絶不調も近藤七段、石井六段が2連勝と星を稼いだのが大きかった。
対して、チーム糸谷はリーダーを初戦で出した後、温存する作戦に出たが、
高見七段、都成六段が期待に応えることができずともに1勝2敗。
オーダーは完璧に当てていただけに、惜しい展開となった。
これで次回の放送が本戦1回戦最終試合。
いよいよ永瀬二冠、藤井棋聖を擁するチーム永瀬が登場する。
対するチーム天彦もタダでは終わらないだろう。一層の熱戦が期待される。
果たして、どのような結末になるだろうか。
それでは(^^)/~~~