こんにちわ。
久々にお出かけしたら、疲れがどっと出てしまった
evolokuyです。
今日は自宅でゆったり過ごそうと思います。
と言いつつ、今週末は将棋倶楽部24で対局多めでしたw
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というわけで、
本日は第3回AbemaTVトーナメント予選Dリーグの第3試合、
Abemaドリームチームvs.チーム広瀬の戦いを振り返ります。
開始時点で、
Abemaドリームチームが-5ポイント、
チーム広瀬が+2ポイント
という点差が離れている状況。
チーム永瀬が予選突破を決めているので、この2チームで残り1枠を争う。
直接対決なので1つの勝敗で2ポイント点差が動くだけに、流れが重要となる。
ただし、Abemaドリームチームは2-0を1回含む3連勝が絶対条件となる。
両チームのオーダーは以下の通りに。
【先鋒戦】三枚堂達也七段-青嶋未来六段
【中堅戦】羽生善治九段-黒沢怜生五段
【大将戦】鈴木大介九段-広瀬章人八段
Abemaドリームチームは羽生九段を中堅戦に配置するなりふり構わずの布陣。
対してチーム広瀬は自然な布陣で予選突破を目指した。
先鋒戦は三枚堂七段と青嶋六段の対戦に。
お互いの持ち味が出た大熱戦
1局目は青嶋六段の先手で、先手が矢倉、後手が雁木という力戦調の将棋に。
局面が飽和状態になると、後手の三枚堂七段から端を起点に仕掛けていった。
後手が△7四銀と戦力を足したのに対し、▲6四歩という反応でペースを握ったか。
しかし、三枚堂七段も対して△7三角がうまい切り返しで、先手の飛車をにらむ。
先手は4筋を、後手は7筋を一直線に攻める殴り合いに進展。
後手は△9七角成と馬を作り、先手は4筋に拠点を作り、終盤のねじり合いに。
均衡が取れていたところから、△8七桂成が鋭い一着で後手がリードを奪った。
その後、後手の馬が盤上を制圧していって、後手の方が指し手が分かりやすい。
熱戦が続いたが、最後は鋭く先手玉を寄せ切った三枚堂七段が先勝。
2局目は三枚堂七段の先手で、後手青嶋五段の四間飛車に。
端の交換が入ったが、先手はミレニアム、後手は穴熊に囲った。
▲2四歩から戦いが始まり、ひと目居飛車持ちな流れに。
しかし、相手の攻めに反応して△4五桂と活用でき、振り飛車も十分な形勢に。
その後はお互いに馬を作り合って、長期戦の様相に。
ただし、居飛車は銀を1枚はがされて玉形に不安がある。若干穴熊ペースか。
そこからまさかの千日手ムードだったが、先手がそれを打開。
打開していったものの局面は振り飛車がペースを握った。
三枚堂七段の▲5二馬で一気にスパークしたかに見えたが、
一瞬の猶予を活かした青嶋六段の角と桂馬のカウンターがきれいに決まり、
最後は香車2枚のロケットを発射し、先手玉を寄せ切った。勝負は3局目へ。
3局目は青嶋六段の先手で、先手中飛車に。
早々に▲5五歩から仕掛けていき、大乱戦の雰囲気が漂う。
その割にはお互い手が早く進み、先手は駒得、後手は馬という主張で進む。
序盤早々大乱戦だったが、局面は落ち着き、手将棋模様で難しい展開。
後手は手詰まりとなったので、△7五歩~△6五桂と仕掛け、△7三馬と玉をにらむ。
先手も角のラインを避ける▲2九玉などペースは居飛車と見られた。
青嶋六段の▲7二銀成が筋悪ながら良いタイミングで、三枚堂七段はここで攻めた。
これが粘りを欠いた手だったか、先手玉に迫るも厳しい攻めが続かなかった。
その攻めで先手に駒が渡り、青嶋六段が豊富な持ち駒を活かして詰まし、先鋒戦を制した。
チーム広瀬はポイントを獲得したので、この段階で予選突破が確定した。
中堅戦は羽生九段に若手の黒沢五段が挑む構図に。
スーパースターも人間
1局目は黒沢五段の先手で、先手中飛車に進む。羽生九段は急戦模様で対抗。
盤上はフィッシャールールとは思えないほど、進行が遅い。
中央で一歩交換となり、先手は▲5四歩~▲5五銀と元気よく戦いを起こした。
羽生九段は自然な対応で手を渡していき、△6五桂が気が付きにくい一着だ。
その桂馬が死なないことで先手の飛車がなかなか捌けない。
しかしながら、黒沢五段の▲5三成銀~▲5二角がなかなかの切り返し。
持ち時間10秒を切ってから、激しい斬り合いの展開に。
羽生九段が△4六歩~△5六角と迫るが、黒沢五段も▲4一馬~▲3一馬と対抗。
先手の玉が一瞬寄らない形となり、そこで黒沢五段がうまく後手玉を寄せ切った。
2局目は羽生九段の先手で、黒沢五段のダイレクト向かい飛車に。
羽生九段は▲6五角と打って一歩得を図る変化に飛び込む。
微妙な形の違いのアヤで、黒沢五段も馬が出来る展開に。
お互いに主張がぶつかり合う乱戦模様で完全な手将棋の流れに進んだ。
少し進んでみると先手は銀冠から手厚く指す順があり、作戦勝ちに見える。
先手はさらに玉頭位取りに進展。後手は右玉模様で構えるも、
駒効率で大きな差が見え、先手良しは明白な状況に。
黒沢五段は必死に手を作りに行くが、▲3四角がシンプルながら厳しい一着。
しかし、フィッシャールールの恐ろしさはここから。
圧倒的優勢の羽生九段だったが、黒沢五段の追い込みに決め手が見つからない。
攻めても受けても勝ちだったが、時間に追われて誤った攻めで後手玉を逃がしてしまった。
黒沢五段が強みの粘りを見せ、羽生九段に連勝の大金星。中堅戦を制した。
大将戦は鈴木九段と広瀬八段の対戦に。
最強位、まさかの不発
1局目は鈴木九段の先手で、先手中飛車に進む。広瀬八段は急戦策を選択。
7筋、8筋で激しい戦いに。鈴木九段は気合重視の早指しで良いテンポで進む。
勢いよく攻めた鈴木九段だったが、広瀬八段が冷静に対応し、ペースを握る。
手に困った鈴木九段は長考に沈むも良い手が見当たらない。
最終手段で端から逆襲を目指したが、玉は早逃げされ、端は逆用され、泣きっ面に蜂。
しかし、鈴木九段は最後まで諦めない。根性の粘りで決め手は与えない。
アヤをつけ続けたが、最後は広瀬八段が冷静に対応しきって、1局目を制した。
2局目は広瀬八段の先手で、鈴木九段のノーマル四間飛車に進む。
広瀬八段は居飛車穴熊に囲って、昔からよくある形に。
先手は2六角型に組み、4筋から仕掛けていく。▲5三角成が鋭い手でリードを奪う。
鈴木九段も△4一桂から必死の受けを見せ、振り飛車も勝負形になっていく。
広瀬八段が好調と思われたが、時折見落としがあったか、変調な流れに。
対して鈴木九段もチャンスだったが、△6三角が疑問の一手で、流れを手放したか。
ようやく広瀬優勢がハッキリした。鈴木九段決死の粘りにも的確な指し回しが冴え渡る。
6三の角の弱点を攻めるという分かりやすい方針で押し切って大将戦も2連勝で決着。
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全体を振り返ると、チーム広瀬が5ポイント獲得という意外な大差がついての決着。
やはり羽生九段と鈴木九段が本来の実力が発揮できなかったことが大きかった。
これがフィッシャールールの難しさなのかもしれない。
予選Dリーグは最終的にチーム広瀬、チーム永瀬が予選突破を決めた。
これで本戦トーナメント進出の8チームが出揃った。
予選突破チームは、
チーム久保、チーム三浦、チーム天彦、チーム渡辺、
チーム糸谷、チーム康光、チーム広瀬、チーム永瀬の計8チーム。
来週から本戦トーナメントが始まる。しかも、生中継での対局は必見。
初戦はチーム康光vs.チーム久保ということで見逃せない!
それでは(^^)/~~~