こんばんわ。
このGWが将棋人生で一番勉強している疑惑があるevolokuyです。
家事をしない日なら、午前中から、
詰将棋・次の一手
↓
棋譜並べ
午後から、定跡書で序盤勉強。
こんな将棋漬けの日々は今までなかった。
将棋大会で勝ちたいと思っているのに、それはひどい…。
もっと序盤に自信が持てるように、この流れを継続したい。
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今日の本題。
「elmo囲い」
最新系に詳しい方ならもちろんご存じだとは思います。
先日の将棋大賞で升田幸三賞を受賞した囲いです。
◆elmo囲いについて
具体的な陣形としては、以下の図面の囲いです。
ザックリ言うと、舟囲いの6九の金をを7九に寄った形です。
主に対振り飛車で用いる囲いです。
名前の由来は、コンピュータ将棋ソフトの
「elmo」が多用したことによるものです。
戦型や作戦の「○○流」にコンピュータ将棋ソフトの名前が
入ることは稀にありましたが、囲いでは初でした。
形自体は昭和30年代にも対ノーマル中飛車で現れてはいた。
ただし、主流作戦にはならなかったため、廃れていった。
◆流行のキッカケ
コンピュータ将棋ソフトが多用しただけでは、大流行は起こらない。
elmo囲いを用いて勝っている棋士がいた。
それは関西所属の大橋貴洸六段です。
2018年の加古川清流戦で、
振り飛車党の井出四段、杉本四段に対して連続採用。
しかも、その将棋は同じ日に行われ、いずれも勝利。
モバイル中継もあったため、当時話題となりました。
その後、プロアマ問わず採用されるようになり、
2019年の王将戦▲久保王将△渡辺棋王でも登場した。
タイトル戦でも登場したのは驚きだった。
◆elmo囲いの利点
トップ棋士も採用するelmo囲いであるが、
今までの対振り飛車の舟囲いと比べ、大きな違いがある。
elmo囲いは、舟囲いより堅く、耐久力がある。
舟囲いの場合、端の方から攻められた時に逃げ方が難しかった。
具体的には、△9九角成~△9八飛(△8八飛)という筋が、
舟囲いであれば致命傷になってしまう。
しかしながら、elmo囲いの場合は▲6九玉と逃げた時に、
7九の金が防波堤となって、耐久力があるのが発見だった。
舟囲いと比べて、掛かる手数は変わらないのに、
堅い囲いになるということが流行を後押しした。
おまけに、金を寄るだけというシンプルさもあって、
アマチュアの中でも流行している。
◆elmo囲いを用いた戦い方
戦い方については、
基本的に従来の対振り飛車急戦の定跡を応用できる。
上の図が対▲四間飛車との局面。
(18.9.7 ▲井出四段△大橋四段(段位は当時))
振り飛車側の陣形は普段通りというところ。
居飛車側はelmo囲い+右銀急戦といった形。
基本的には右銀急戦か早仕掛け調の仕掛けを目指す。
居飛車としても新しく覚えることが少なく、
従来の知識を応用して指せることも流行した一因だろう。
プロでは先手の振り飛車に対して多く用いられている。
従来との違いでの駆け引きで、手詰まり模様になることもあり、
千日手を含みにしていることが後手番で多く採用する理由として考えられる。
◆今後の展望と研究について
elmo囲いに関しては、まだまだ未解明の部分が多々ある。
従来の形を応用できるが、無意識に同じように指してしまうと、
ちょっとした違いを咎められてしまうこともあるので要注意。
しかしながら、舟囲いより玉が硬いことは事実である。
個人的には決定的な弱点はない。つまり、廃れることはないだろう。
序盤研究を進めていけば、優秀な作戦として成立すると考えている。
研究に関しては、やはり従来の急戦定跡の知識が基礎となる。
「斜め棒銀」「4五歩早仕掛け」の戦い方を知っているかが重要になる。
定跡書としては、以下の2つを軸に読み進めることが良いと思う。
『四間飛車の急所』シリーズ(藤井猛九段著)
『四間飛車破り【急戦編】』(渡辺明三冠著)
さらに、elmo囲いの定跡書としては、
『対振り飛車の大革命 エルモ囲い急戦』(村田顕弘六段著)があります。
本書に関しては、今日読み終わりましたので、
近日中にレビュー記事を上げられればと思っています。
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今日は少し真面目に将棋の話題にフォーカスしてみました。
個人的に気になることをこういう形で記事にできたらと思っています。
最近はelmoか角換わりのどちらかにしか興味がないevolokuyです。
GWももう少しで終わりですが、
見えない敵とも戦いつつ頑張っていきましょう!
それでは(^^)/~~~