金融政策決定会合議事要旨(2015年8月6、7日開催分)によると、
「一人の委員は、金融緩和の正常化の過程で国民負担の増加にも繋がりうることを指摘した。これに対して、ある委員は、正常化の過程での国民負担を論じるのならば、金融緩和の過程での景気回復の利益についても考えるべきだと述べた。」
というやり取りが紹介されている。
分かりやすく言うと、誰かが、「日銀が、今みたいに国債をどんどん買ってると、今後景気が良くなって、買う国債を減らしていった時に、金利が上がってしもて、困る人が出てくるよ」と言ったら、別の誰かが、「そんなこと言うんやったら、これまで国債をどんどん買って、ちょっとは景気が良くなって、ええ思いしとるやつもおるんやから、そのことも言わんとあかんでぇ」というようなやり取りがあったようですね。
世の中、上手くいっている人は黙っていて、そうじゃない人が文句を言う。そして、マスコミは文句を言う人や弱者と思われている方を取り上げる。だから、「正常化の過程での国民負担を論じるのならば、金融緩和の過程での景気回復の利益についても考えるべきだ」なんて言っても、ダメだろうね。