iコンシェル暮らしのガイド
2010/10/29 UPDATEより
男性の尿が出にくくなるのは老化現象!
「家庭の医学」ガイド:西園寺 克
前立腺って何?
前立腺は男性にしかない器官です。
膀胱から尿道が出る部分で、尿道を取り囲んでいます。
腺という名前の通り、粘液を分泌します。
前立腺肥大症は病気じゃない?
「前立腺肥大症」というと前立腺自体が大きくなっているように聞こえますが、
尿道の周りの部分が大きくなって、尿道を圧迫している状態と考えてください。
「前立腺肥大症」を病気と考えるかについては意見が分かれています。
というのは、概算ですが50代の男性では50%、60代の男性では60%あるとされているからです。
あるというのは病理学的にあるという意味で、
自覚症状があるという意味ではありません。
50歳を超えると半数の人にあるということから、
病気というよりも老化現象の一つと考えられます。
前立腺肥大症は予防できない!
前立腺肥大症の危険因子の研究に関する報告は多数あります。
特に食事に関するものが多数ありますが、
危険を減らす方法の報告は残念ながらありません。
トイレでは若い人の後ろに並んだ方が早く順番が来る理由も解説します。
駅のトイレ等に並ぶ時の原則は?
女性のトイレは列が一列にできますが、
男性の場合は複数の列ができます。
若い人の後ろに並んだ方が早く順番が来るという経験則があります。
前立腺肥大症では尿がすぐには出ず、
排尿が終わるまでの時間が長くなるからです。
症状が進むと尿をしても尿が残った感じがするようになります。
「残尿感」と呼び、すっきりした感じがしません。
トイレに行く回数が増えて、一回の排尿に数分かかるようになります。
最終的には尿が全く出なくなる事もあります。
前立腺肥大症と前立腺癌の関係
排尿に関して違和感がある男性が受診すると、当然ですが前立腺癌に関しても調べる機会が多くなります。
前立腺肥大症の人には前立腺癌が多いという医療統計結果があります。
ここには、医療統計解析を評価する時に必要な考えにバイアスがあります。
医療機関を受診した男性を対象とするとバイアスがかかってしまうのです。
正しくは、前立腺癌の危険因子は年齢で、
前立腺肥大症の危険因子と同じなので、
医療機関で前立腺を調べた男性では前立腺癌が多いという表現になります。
前立腺肥大症と前立腺癌は区別できるの?
前立腺癌を患っている場合、血液検査で上昇する項目があります。
この検査の値が高いと、前立腺癌の可能性が高いのは確かです。
いわゆるグレイゾーン(陰性とも陽性言い切れない数字の範囲)が広いので確実なものではありません。
数字が低い場合の偽陰性の可能性は低いので安心できます。
前立腺肥大症は治療できるの?
内科的治療で尿が出にくい症状はかなり改善できます。
ただし、尿が出ないようなら、手術を薦められることがあります。
この場合、開腹しないで手術可能なことが多いので、入院日数は短くてすみます。
内科的治療で注意しなくてはいけないことは、前立腺肥大症の治療薬には禁忌薬(同時に投与ができない薬剤)が多いという点です。
常用薬がある方は薬剤師の方に相談することをお勧めします。