子供

「生きていれば、やり直せるって言いたいの?」



多田

「いや、やり直せることなんてほとんどない。


 いくら期待しても、


 お前の親が、おまえの望む形で愛してくれることはないだろう」



子供

「……そうだろうね」



子供は家を開けてドアに入ろうとした。


「……聞けよ」


多田はその手をつかみとめた。



「だけど、また誰かを愛するチャンスはある。


 与えられなかったものを、今度はちゃんと望んだ形で、


 お前は誰かに与えることができるんだ。


 そのチャンスは残されてる」



        まほろ駅前多田便利軒 三浦しおん より



  ※   ※   ※



「私、親からちゃんと愛情をもらってないから、


 子供を愛せるか不安なんです」



「私、両親が離婚してます。


 私も同じことを繰り返す気がするんです」



そのようにおっしゃる方がいます。



「愛されなかった」という過去は消えません。



それが原因で「満たされない」気持ちを抱えてしまったのかもしれません。



でも、同じことを繰り返すかどうかは、


結局はその人次第。



人を愛するチャンスだけは、


誰もが平等に恵まれています。



それを活かすか、活かさないか。



神様は人にチャンスを与えては、


ただ、ひたすらに見守っているのです。