先日記事にしました
「炎症性乳癌」疑いのワンさんの
病理検査がきました。
結果的には「乳腺癌」という
悪性のものでしたが
予想していた最悪のものでは
ありませんでした。
半日であれほど急激に増大する
ケースで、この病理検査結果は
いい意味で予想外でした。
またサージカルマージン
(外科的な腫瘍辺縁の安全域)
も大丈夫でした。
簡単に言えば取りきれていました。
リンパ管や血管内にも腫瘍細胞は
認められず、そけいリンパ節にも
転移所見は認められませんでした。
術後食欲も順調で、もうすぐ17歳という
年齢のわりには元気です。
心配していた手術部位も、順調に
改善しています。
とてもシビアな状況でのオペでしたが
経過が順調なことから
退院の日取りも決まりました。
そう少しの辛抱です。
「毎日毎日この仔のことばかり考えていた」
とおっしゃる通り、毎日面会にいらしていた飼い主様に、
病理検査結果をお話しすると、笑顔で涙を流されておりました。
「元気な状態で、帰宅できないことも覚悟していた。」
と話されました。
オペそのものを断念することなく決断され、当院を
信頼していただき、このように退院のお話ができて
大変嬉しく思います。
獣医の大学時代「獣医師は動物を治すと同時に
飼い主様の心も治す」とおっしゃったある先生の
言葉を思い出した次第です。
とは言え相手は癌ですので、安心はできませんが
とりあえず良かったです。
ランキングに参加しております。