生後7ヶ月のメス猫さんが
治療を続けています。
の時に、元気がない、
便の表面に血が付くとのことで
来院されました。
診ると体は痩せ気味で、
体温は39.5℃と高く
お腹がやや張っている感じでした。
血液検査では血液の総タンパクと
肝臓の項目が、かなりの高値を
示していました。
症状と血液検査から、ある病気を
疑いました。
それはコロナウイルス感染症。
以前は「猫伝染性腹膜炎」と
呼ばれていた病気です。
文字通り、コロナウイルスという
ウイルスが原因で起こる病気で、
腹水や胸水をためるウエットタイプ
と眼、脳脊髄、肝臓、腎臓に
病変を作るドライタイプがあります。
いずれのタイプも現在の獣医学では
治すことが出来ない病気であり、
治療法も確立されはおりません。
この病気の診断は血液を採って、
ウイルスが体内にいるかどうかを
調べます。
この仔も後日、検査をしましたが
残念ながら陽性でした。
飼い主様とご相談の結果
現在はインターフェロンを用いた
治療を行っております。
インターフェロンはウイルスを殺すほどの
効果はありませんが、体にいづらくする
効果は期待できるかもしれません。
毎日ずっと40℃前後の発熱が続き
目の角膜に針頭大の小さな斑が
右目に7ヶ所、左目に1ヶ所出てきましたが
インターフェロンの点眼と注射を続け
現在、斑病変は消失しました。
(右目に若干の混濁はありますが)
またここ最近、ずっと高熱だった体温も
平熱になってきました。
肝臓の数値もやや下がってくれています。
治る可能性は、残念ながら厳しいですが
少しでも症状を軽くできれば、と思います。
これからも向き合っていきたいと思います。
ネココロナウイルス感染症は
日常の診療の中で、頻繁に出会う
病気ではありません。
感染しても必ず発症するというわけではなく
その発症メカニズムは、まだ不明な点も
多い病気です。
この仔は、生後まだ7ヶ月なので少しでも
苦痛を取り除いて、飼い主様との時間を
大事に過ごせたら、と思います。
よろしれば、押してください。