右側上顎の臼歯(奥歯)の歯肉が
赤く腫れ、うっすらと出血も認められた。
触っても、この臼歯にぐらつきは
感じられないが、頬の腫れの直下である
ことから、この歯が原因の可能性が高い。
臼歯は歯根部が長い(深い)
その歯根部が細菌感染を起こし
頬のところを腫らせた可能性がある。
さらに皮下の腫れがひどくない頃から
右眼の涙管が疎通できない影響を
与えた可能性も考えられる。
いずれにしても、この歯を抜歯する
必要性を飼い主様に説明した。
頬の腫れは小さな小切開を加えると
血液の混じった膿が溢れ出た。
全身麻酔のもと、この臼歯の抜歯に
とりかかる。
歯肉との間に小さな隙間があり、
奥まで通じていた。
慎重に抜歯を行った。
抜歯痕を細い探子で探ると
頬方向に長く通じていた。
同部位を洗浄し、歯石の付着している
他の歯の歯石除去も実施し終了した。
動物も日頃のデンタルケアーがとても大切です。
もちろん、人のように歯や歯肉の異常を言葉で
表現することが出来ないので
口臭、歯肉からの出血の有無などを注意してチェックして下さい。
今回のような歯根部の病気も、少なくありませんので
何か気になるときは、早めに動物病院を受診して下さい。
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