パートナーとの待ち合わせ。
場所は彼女の目的であるカットのお店の前。時間はカットが終わる予定時刻の12:30。
仕事を終わらせて待ち合わせ場所へ。
その近所には母校がある。
卒業後に何度か行ったが、それでも二十数年振りになる。
正門を入ると右側に鳥居があり、その奥に「神殿」と呼ばれるお社(やしろ)がある。そこで一礼。
校舎は建替えられていて当時の面影はなく、近代的な高層ビルなどになっていた。
ふと思った。
今、ここに20代の頃の自分がいたら、どんな言葉をかけるのだろう、と。
「大変な事も多いけど、意外と面白いぞ」
あの頃の僕は教師を目指していた。教育実習で荒れた現場を経験して別の道を選んだ。けれど今「先生」と呼ばれている。
12:30。なんとか間に合った。彼女はちょうど店から出てきたところだった。さすが敏腕の誉れ高い美容師だけあってカットの出来栄えは素晴らしかった。前髪がもう少し短いと彼女の個性が更に引き立ったとも思った。
考え方、容姿ともに個性的で素敵な彼女と一緒に暮らすことも、あの頃は想像できなかった。
さあ、この先は一体どんな楽しい事があるのだろう。
