ひたすら寝たい



私はうつ病で乳がんステージ4サバイバー、

同居の友人は大腸がんステージ3サバイバー。


同時期にがんが判明して、

同時期に始まった治療や日常の日々をつづるブログです。





〜の少し前〜




MRIは混んでいるので、待ち時間が長い。




トモセラピーの後、2時間ほど待つことになり、

空いている放射線科で待たせてもらうことにした。



バスを乗り継いでの連日の通院に、

さすがに疲れが出始めていた。


うつ病の慢性的な疲労感に加え、

ベージニオの副作用だろうか、

とにかく倦怠感が強く、毎日だるくて眠い。



あまりにだる眠すぎて、

椅子にまっすぐ座っていられないほどだった。



眠い。

あまりにも、眠い。



放射線科の待合室は、私以外誰もいない。


2人がけの長椅子の、

蠱惑的な空間が私を手招きしてくる。


疲れすぎていて、少しでも横になりたいのだ。


ステージ4だし、誰もいないし、

2時間待たなきゃいけないし、

いいよね……。



人目を忍んでこっそりと長椅子に横臥したが、

椅子なので思ったより寝心地はよくなかった。

(当たり前)



右を下にして横になると照明が眩しいし、

左を下にするとガン患部が圧迫されて気になる。


上半身を不自然にねじっているので、

背中の骨転移も心配になってくる。



看護師「大丈夫ですか⁉︎」



無理矢理横になっていた私に、

看護師さんが血相を変えて駆け寄ってくる。



そりゃそうか。



私だって、待合室で患者がひっくり返ってたら、

心配になるもんな…。



私「すみません。

眠くて……」

看護師「空きベッド、ありますよ…」



一度は辞退したが、

あまりの眠だるさに耐えかね、

空きベッドを借りることにした。




普段は何に使われているのかわからない、

身長計とかが置かれている部屋に

硬いベッドは鎮座していた。


横になり、タオルケットを借りる。



ステージ4で手術不適応の私は、

入院体験もまだ無い。


初めて使う病院のベッドに、

異様にテンションが高まってしまった。


扉の向こうでは、看護師さんが歩いてゆく足音。


20年近く前、中学生だか高校生の頃、

サボって保健室で居眠りをしていた時の気持ちよさが

色鮮やかに蘇ってしまったのである。



サイコー。



保健室の先生、優しかったなあと思い返しつつ、

病院のベッドの感触にテンションが上がりすぎ、

2時間はあっという間に過ぎた。




結局、興奮し過ぎて一睡もできないまま、

MRIの時間は来てしまった。