40歳半ばの時、ある日突然思いついたのは、
「あれ?私もう半分以上生きちゃった?」でした。
「そうか、もう後半戦なんだ、そうか~」でした。
60歳になった今は、もっとひしひしと時間は限りあるものだって感じます。
若い頃は、だだっ広い海の真っただ中にいるような気分でした。
これから先、何があるかわからない。
これから先、どんなふうになっていくのかもわからない。
でもただただ泳ぐだけ。
40歳半ばを過ぎたころ、なんだか遠ーくに、陸地が霞んで見えるような気がしました。
そして60歳になった今、陸地がはっきりと見えるような気がします。
なんだかもうすぐですね。
もうすぐ着いちゃう?
「うーん、こうして元気に泳げるのも、あとどれくらいかなあ?」って感じ。
一年一年、一日一日を大切にしなくっちゃって感じ。
私は、今まで子どもを育てるのにすごくケチでした。
末っ子も就職して60歳になって初めて、「なんでそんなにケチケチしてるの?」って疑問がわいてきました。
気づくのが、ちょっと遅すぎです。
そこでまず欲しかった寝具を買いました。
ムーミンの敷パッドと枕カバー。
それからタオルケットもムーミンのかわいいやつを買いました。
それから食器を捨てました。
使いにくい食器、好きじゃない食器。
夫の実家から引き取った食器も。
夫にとって思い出の食器だろうと思い、胸が痛かったけど思い切って捨てちゃった。
それから私の実家からもらった食器でコーヒーのカップアンドソーサーのソーサーだけのやつ。
それを使うように母に持たされて、そのソーサーにおかずをのせて30年くらい使っていたのでした。
まあ嫌いじゃなかったけど。
それにしてもなんて私は、従順なんだろう?と自分でもあきれます。
それから今度は前からやってみたかった、車中泊をしてみようと思っています。
わかんないけど、やってみたいと思ったから。
それからピアスの穴も開けたい。
あともうちょっと。
時間は有限だってことをしみじみ感じるこの頃です。
明るい気持ちで楽しく過ごせる日ばかりじゃないけど、落ち込んでいる日も同じように、大切な生きている日なんだなと感じます。
なんだかこれからもまだ、一波乱も二波乱もありそうな気がするけど、「陸地は見えてきたよ」ってそんな気分になった60歳でした。