「リバース」湊かなえ
僕たちは「人殺し」なのか同じゼミに属する村井、浅見、谷澤、広沢、深瀬。村井の提案で彼が所有する別荘へ5人で旅行をするはずだったあの日ーーそもそも計画主の村井が遅れてくることになったところから何かが狂いはじめていたのかも知れない。先に行ってほしいと言われた4人。運転免許を持っているのは浅見と広沢。ふたりで交代で運転を担った。天気が悪くなりつつある中、最後は車がすれ違うのが難しいほどの細い蛇行道を抜けて無事に別荘に到着。降り出した雨は強さを増し、悪天候となっていった。庭でのバーベキューをあきらめて室内で食事をし、夜が更け始めた頃、遅れていた村井が別荘の最寄り駅に到着したと連絡が入る。タクシーを呼べばいいのに、迎えに来ないのかと不機嫌な村井のために免許を取って日が浅い広沢が運転を申し出る。悪天候のせいで行きよりさらに危険になっているであろう道を。行かせるべきではなかった。そしてあの日から、4人は人には言えない秘密を抱えている。・・・数年後4人に届いた「人殺し」と書かれた告発文。あの日のこと、それしか思い当たらない。犯人を突き止めるため動き出したのは深瀬。まずは広瀬について知らなくてはならない。過去を遡るうち、親友だと思っていた広瀬について実は何も知らなかったことに気づく。みんなの小さな後悔が明るみになり積み重なって、すべてを告白した先に、許しはあるのだろうか。違うな、これは求めてはいけない許しだ。あの時あんなことを言わなければ。あの時こうしていれば。ずっと消えない後悔は誰にだってあるけれど。先が気になって久々に一気読みしたな。・・・「リバース」湊かなえ講談社文庫