私はネットカフェが大好きです。

五時間とか八時間とかパックになって安くなってる所に行って、黙々とドリンク片手に読み耽る事が出来る天国です。


普段は大体新宿か吉祥寺辺りのマン喫に行くのですが、吉祥寺のバグースカフェは、美味しいソフトクリームなんかもフリーで食べられて(チョコ旨し)個室仕様なので気に入っています。

最近はコロちゃんの関係もあって控えてますけども。


先日、大宮のネットカフェで人質取って立て籠ってた男性が捕まりましたが、マンガ好きの天国を勝手に荒らさないでくれるかな、と腹立たしいばかりです。





日本のマンガは本当に素晴らしい文化だと思っています。演劇も映画も小説も、ストーリーを表現するのに使われる媒体ですが、映画や演劇は複数の俳優(もしくはカメラマンなど技術者)の相乗効果で掛け算のように面白さが出る世界ですが、小説とマンガは、その作者個人の表現力が主にものを言う世界です。
特にマンガというのは、読む人に対しての訴求力が高いですよね。

CLAMP先生や、ソロになる前の藤子不二雄先生など、元々が2人以上の集まりだと少し違うのかも知れませんが、マンガというのはそもそもその人個人の表現力で作品に対するアピールをしています。

ストーリーを売りにする事も勿論ありますが、それに見あった表現力が重要なのです。

一億の人が居れば一億の絵の好みがある訳ですが、上手い下手に関わらず、そのストーリーを魅力的に表現する力があるかないか、突き詰めればそこに行くのではないかと私は考えています。

どんなに下手くそであっても、何年も何十年も書いていれば黙っていても絵は上手くなるんです。
でも表現力はその人のセンスです。
いつまで経っても上達しない人もいれば、自身で磨いて見違えるほど上手くなる人もいます。

絵の世界では「決して上手いとは言えないが、その表現力でチャラになる。楽しめる」という下手ウマジャンルもあります。そのマンガ家さんの絵柄の個性だったりもします。よく言えば裾野は広いです。

カレー沢薫先生は大好きなマンガ家でありエッセイストですが、あの方も決して一般的に見て絵が素晴らしく上手い訳ではないと思いますが(主観なのでお許し下さいませ)、表現力が素晴らしいと思っています。
言葉の使い方も素敵だし、面白い。

まあいくら絵が上手くても世界観やストーリーが全く伝わらない、面白くないと思う作品も存在しますけども……あ、これは個人的に、という意味ですよ? 私がとてつもなく面白いと思う作品でも、合わないという人は居ますから、単に好みの問題です。

ただ、好みの良し悪しはあれど、長時間かけて1ページ1ページをマンガという形式で作り上げ、その世界に読者を引きずり込むというパワーが素晴らしい。
老若男女を問わないその圧倒的な力に尊敬すら覚えます。
海外でもコミックはありますが、自分が日本人だからなのか、翻訳されているものを読んでも日本のマンガの方が面白いよなあ、と思ってしまいますね。
でも、台湾や中国の作家さんは驚くほど絵が上手い方が多いです。劇画テイストが多いですが。


ライトノベルを書いている私は、文章でマンガに匹敵する訴求力で読者様を引きずり込まなくてはなりません。めちゃくちゃハードルが高いです。

だから、コミカライズされている作品を見ると、とても羨ましいです。イメージと合致してると尚更です。

どうしても文章だけだと、読者側に想像で補って貰わなくてはなりませんが、マンガだとキャラクターやその動きも含めて表現出来る事が多いですから。

自分でその画力と表現力があれば、自分で小説書いてマンガも描きたいですけどねー。

子供を持つ親になると、マンガばかり読んでないで云々という事を言う方もおられますが、私なんて普段使わないような言葉回しや感じもマンガで学びましたし、想像力の幅が広がったのもマンガでした。

お陰でどんな小説を読んでいても、ぱぱっとその世界観が脳裡に広がるようになりましたし、うちの亡き両親も小説やマンガを読むのが好きでしたから、特に怒られることもなく読ませて貰えて本当に良かったと感謝しています。

うちの姉上なんかは、自宅のマンションの一室の壁が全て本棚で、何千冊レベルのマンガを所蔵してますから(私が保管しきれない本も譲ってます(笑))、ほぼ自宅がマン喫みたいなもんですが、それでも買い切れない本を読みにマン喫に一緒に行きますからね。
甥っ子の本棚もマンガと小説で溢れてます。
出版社にとってはかなりのお得意様、と言っても過言ではないと思います。


しかし、Webマンガ誌も増えてきて、最近では追いかけられなくなっている現状です。
出来る限りボケないまんまババアになって、面白い作品を読み漁りたいものです。

絶対に寿命が尽きるまでに読み切れないであろう数の作品に半泣きですけども。

でも、死ぬまで退屈しないだろうと思うので、小説家やマンガ家の方には感謝しかありません。
本当に本当にありがとうございます。