私がまだ幼かった日から大人になるまでの間、愛読していた雑誌「月刊GUN」。
小学生から中学生迄は経済的に新冊で購入する事がままならず、専ら古本屋のバックナンバーばかり買い漁って隅から隅まで穴が開く程に読み耽った物だった。
最近のGUNPRO誌?になってからは滅多に立ち読みすらしなくなってしまったが、これは私だけでは無いと思う。
インターネット社会となった今では書籍の存在意義は年々危うくなるばかりだろう。
そんな今となっては遥か昔の月刊GUN誌にて、実銃レポートで毎月ドカドカと恐ろしい数の弾数を撃ち、仕舞いにはハンドロードしたホットなカートリッジまで射撃して詳細なレポートを届けてくれていた名リポーターにしてシューターの「ジャック・田久保」氏が居た。
私が月刊GUN誌を熱心に読み耽っていた頃には既にイチロー・ナガタ氏はコンマガだったか他のミリタリー雑誌のリポーターに移籍しており、月刊GUN誌ではこのジャック氏とターク高野氏。それに床井雅美氏の記事が中心的に載っていた。
その頃のターク高野氏の記事はどちらかと言うとライフルマン目線のリポートが多かった様な気もする。
対してジャック氏のリポート記事は、往年の名銃を中心とした今となっては「誰もが知る拳銃」をこれでもかと色々なシチュエーションで射撃して、ネットでの情報が無かった当時はジャック氏の実射レポートの記事のページをめくるのが楽しみだった程に充実した内容の記事が多かった。
ジャック氏のおかげ?で、「見た目のコルト。撃ってなんぼのS&W」みたいな事実を知ったし、コルトのパイソンハンターの駄銃っぷりや、コルトアナコンダなんて余りの酷い出来故に「ブタコンダ」とか呼んでいたのを見て、当時画いていたコルトへの憧れ?等が吹っ飛んだ記憶がある。
そんなジャック氏が月刊GUN誌を去った最後のリポートの回の銃が皮肉にも確かコルトコンバットパイソンだった記憶が有るが定かではない。
ジャック氏が月刊GUN誌のリポーターを降りてから、私は月刊GUN誌を余り買わなくなった。
それ位にジャック氏のリポートを読むのが楽しかったからだ。
そのジャック氏は近年病に身体を蝕まれて、体調が良いとは言い難い現況との事。
最近になって執筆しておられたブログのサポートが終了したらしく、その後のジャック氏の近況は全く入ってこない。
ジャック氏のその後の具合がとても心配だ。
是非何らかの形で健在な事を知らせる報告が入る事を強く望んでいます。
そんなジャック氏がブログの中で写真を上げておられたが、ジャック氏が「今まで1番数多く撃って最も信頼しているGUN」が下記の画像の1911カスタムだ。
「上記の銃の画像はジャック氏のブログ記事よりお借りした物です。」
シリーズ70の1911ベースの口径はコルト38スーパー。
コンプ付きでボーマーサイトとエクステンドサムセーフティー。
3ホールトリガーにスライドストップレバーは恐らくはコルト純正のスライドストップ軸が折れたのか?社外かコルトのスチールのスライドストップレバーに交換されているのが分かる。
グリップはビアンキの1911用ライトニングラバーグリップを奢ってある。
全て1980年代後半の1911カスタムの王道を抑えたカスタム1911ピストルだ。
このジャック氏の愛銃を氏のブログ記事で見た時に私は涙が出る程に懐かしく、そして感慨深かった。
それはジャック氏が月刊GUN誌上で45オートのレポートをされる時にはゲストで必ずと言っても良い位の頻度でこのジャックカスタム「勝手に命名させて頂きました。」が登場していたからだ。
ジャック氏はやはりこの1911カスタムを相当に気に入られておられたのだろうと言う事が分かって、何だか自分の事の様にとても嬉しくなった。
思えば自分が1番銃器に対して熱が高かった時分に1番影響を受けたガンリポーターのジャック氏が愛した1911ピストルは、その当時のレースガンやマッチカスタムの王道のカスタムが施されていたが、トイガンでもジャックカスタムの様な見た目のガスガンが飛ぶ様に売れていた。
MGCのハレットシステムのGM6のウイルソンLE。
ボランド・ロングコンプやナストフ38スーパー。それにクラーク・ピンガンカスタム等。
此等の名前を聞いて懐かしいと思う方は、昭和から平成初期に月刊GUN誌を読み耽っていた同世代のガンファンなのは間違い無いだろう。
そんなレースガンやマッチカスタムガンのベースに1911ピストルが使われていた時代のトイガンが私も所有していた事を思い出し、帰宅後に引っ張り出して来てガス漏れ修理を施して、触りながらこの記事を書いている。
東京マルイのウイルソン・スーパーグレード。
古い固定スライド「厳密にはスライドは動くが。」のガスガン。
ジャックカスタムとは違い、ツインコンプのフレームシルバー仕様だ。
実銃でも1つでも十分だろうに、大げさに2つも開いたコンペンセイター。
因みにこのガスガンのコンペンセイターは亜鉛ダイキャスト製でフロントヘビー気味でバランスの良さに貢献している。
コンプの直ぐ奥迄伸びたアルミ製インナーバレル。
あ、このマルイのウイルソンスーパーグレードは、近年になってホップ付きでリメイク版が販売されたが、私の個体のノンホップ時代の製品からするとホップ付きバージョンは倍近くまで値上がりしていたからか、余り売れなかったと見えて直ぐに販売終了して消えて行ってしまった。
全てが1980年代後半の1911ピストルのカスタムパーツで飾られていて、今見るとかえって新鮮に写る。
シリーズ80のコルトガバメントベースのウイルソンスーパーグレード。
シリーズ80の刻印の書体が私は好みだ。
ちゃんとコルトガバメントベースの刻印の上、ウイルソンスーパーグレードの刻印も入っている。
3ホールトリガーは今となっては古めかしく見える。
エクステンドマグキャッチやフロントストラップのチェッカリング。
ストレートタイプのメインスプリングハウジング部もモールドだがチェッカリング仕様だ。
シングルスタックマガジンの1911にマグウェルが付くのも新鮮に見える。
エクステンドサムセーフティーレバーとこれも形だけで動かないビーバーテイルグリップセーフティー。
コマンダータイプのリングハンマーに時代を感じる。
ボーマー風サイトは樹脂製ながらも上下の調整は可能。
ダイヤモンドチェッカリングのグリップパネルは木製風の樹脂製。
このマルイのウイルソンスーパーグレードが販売開始された当時はまだリキッドチャージ式マガジンはMGCの特許だった。
なので同時代の他社製ガスガンはどれも銃本体内にガスタンクを収納する関係上、割り箸マガジンとならざるを得なかった。
今ではMGCも存在しないし、リキッドチャージ式マガジンの特許も失効しているので、そんな事情が有った事は若いガンファンは考えられないかもしれない。
ジャックカスタムもそうだが、この時代のマッチカスタムやレースガンには45ACPよりも38SUPERの方が人気が高い口径だった。
38スーパーは357マグナム弾並みの高初速な口径の弾丸だ。
このウイルソンスーパーグレードのエジェクションポートのダミープレートのクロームメッキは剥げ落ちてしまっており、スチール板の地肌が覗いている。
それも無理も無い。
何せ30年以上前の古い固定スライドガスガンだから。
何故か予備マガジンも一本だけだが持っている。
このマガジンはフォロワーが通常と逆向きの位置に付いている。
マガジンだけ左利き仕様なのか?
この古いウイルソンスーパーグレードはノンホップなのだが、寒さに強い固定スライドガスガンなのでネタ半分でサバゲーに一度だけ持って行った。
が、ホントにこれを抜く機会が有りこれを使ったが、ヒットを取る前に時間切れでゲームが終了した様な記憶が。
今見ると全てが懐かしいカスタムに満ち溢れているウイルソンスーパーグレード。
マルイセミバイオ0.2グラム弾。
マルイノンフロンガンパワー。
5m。 ダブルハンドでダブルアクション5発。
性能がどうとかサバゲーで使えるとかを度外視しても、私にとっては少年時代の黄金期の月刊GUN誌のジャック氏の愛銃を思い出させてくれる、私の思い出のGUNなのだ✨。