古くからのトイガンファンの私が今回はちょっとばかり小言を言わせて頂きたいと思います。


国内トイガンメーカーへの提灯記事等書く気は毛頭御座いませんので、この手の話は勘弁。って方は読まずにおいて下さいませ🙇。


かつてモデルガンの新機種が出ると飛ぶ様に売れまくった昭和の日本のトイガン市場。


時代の流れと飛躍的な性能の進化を遂げたエアソフトガンにモデルガンが駆逐されて、今では絶滅危惧種となって久しい。


今思えばモデルガンがエアソフトガンに駆逐された原因が、メーカーサイドの閉鎖的気質にあったのも否定出来ないかと思う。


箱出しで満足に作動しないのは当たり前。


少し空撃ちでもしよう物ならばハンマースパーが折れる始末の物も有った。


あからさまに設計ミスのまま製品化して販売する。


正直メーカーサイドも充分に承知の上で此等の欠陥商品を売っていたと思うし、例え欠陥が露呈した所でリコールされる事も無く、その不具合はユーザーサイドの創意工夫でカバーする。


この様なメーカーサイドも横着な気質が横行しており、ユーザーサイドの創意工夫でカバー出来る事は見て見ぬ振りをして対策を怠る始末。


古くからのモデルガンファンは、お気に入りの機種の弱点を熟知しており、ここは弱いと分かっているパーツをこれでもかと買い込んでいざ故障時の為にスペアパーツを溜め込んでいた人も多かった。


昭和のモデルガンファンにとって、モデルガンとはマトモに動かなくて当たり前。


その満足に動かないモデルガンを動く様に調整して、1マガジン満足に発火させる技量でも持ったガンマニアは周りから神様の様に崇められた物だった。


で、そんなマトモに動かないモデルガンの調整やカスタムを得意とする達人の様なガンマニアも、自ら苦労して編み出した調整方法やカスタム手法を安々と他者に教えたりはしなかった物だから、にわかユーザーは徐々にモデルガンから離れてしまい、モデルガンファンの市場は徐々にコアなマニア向けな玩具と先細り、その後幾度も繰り返された法規制によりオートマチックタイプの金属モデルガンの規制や金色に表面を塗らなければならなくなったりして、自由に金属モデルガンが作れなくなったモデルガンメーカーが唯一つの逃げ道として樹脂製のモデルガンへ活路を見出す事となった。


今思えば樹脂製モデルガンに市場が移行し始めた頃から徐々に衰退の道を辿る事となったのだと思う。


これは今は遥か昔の昭和の話だが、令和の今もモデルガンからエアソフトガンにトイガンファンの主流の愛好対象は変わった物の、メーカーの気質は大して昭和の頃と変わり無い気がする。


国内エアソフトガンでは一強の東京マルイがここまで国内エアソフトガンのシェアを伸ばしたのは、それまで高価なのが当たり前な上に、お粗末な性能が当たり前のエアソフトガンばかりだった時代に、低価格で高品質なエアソフトガンを数多く提供した事で今日の隆盛を極める原動力となった。


そんなマルイの躍進を他社も指を咥えて見ていただけでは無い。


マルイ製品に対抗すべく、色々な知恵や機構を取り入れて他社はエアソフトガン黎明期を乗り切ろうとした。


が、今も国内エアソフトガンメーカーとして存続している会社がどれだけ有るか?


マルゼンやマルシン。リボルバー専門メーカーみたいになってしまったタナカ。MGCの成れの果てのKSC。それに業界分裂の危機を生み出したウエスタンアームズ。


大手の国内トイガンメーカー等は数える程しか残っていない。


元々がトイガン市場等と言うのは他のメジャーな趣味に対して圧倒的少数のキャパの市場であり、その昔MGCを始めとしたモデルガンメーカーが隆盛を誇ったのは、折からのガンブームにベビーブーム世代の人口がたまたま重なったからに他ならない。


ところが今や日本は少子高齢社会まっしぐら。


この現実はちょっとでも地方に行けば分かる事なのだが、今では小学校や中学校のクラス数等は私が学生だった頃の1/3程度のクラス数しか無い迄に子供が居ないのだ。


おまけにテレビゲームの性能は格段に向上して、わざわざ自治体によっては有害玩具指定を受けたエアソフトガンを買わずとも、例え撃たれても痛い思いもせず平気でオンライン上の敵兵を撃ち殺して楽しむ、恐ろしい位にリアルな戦争ゲームを楽しむ子供ばかりとなった。


勿論エアソフトガンも昭和の頃と比べたらまるで別物な迄に性能も質感も進化した。


中でも電動ガンとガスブローバックガンの登場はエアソフトガン業界に革命を興した。


電動ガンやガスブローバックガンの開発の波に乗れなかった国内エアソフトガンメーカーは、この頃次々と駆逐されて時代の波に飲まれて消えて行った。


それからもう直ぐ30年。


ならば今の国内エアソフトガン業界の状況はどうか?


相変わらず電動ガンを超える革命的な機構は出て来ないし、ガスブローバックガンも代替フロン全廃が足下まで迫って来ても東京マルイのノンフロンガス開発に他社は頼りっきり。


近年製品化される数が著しい海外製CO2ガスブローバックガンがこの後代替フロンガスブローバックガンに取って代わる日が来るのかはまだ「安全面の観点」からして不透明だ。


そんな少子高齢社会によるエアソフトガンユーザーの減少と、エアソフトガンを使って遊べる環境の少なさによりエアソフトガン業界には昔みたいな活気がまるで感じられない。


相変わらず昭和や平成初期の頃からこの趣味を細々と続けているユーザーの熱に頼りっぱなしの現況だ。


東京マルイの様な国内最大大手のトイガンメーカーですら数が売れる機種しか出せなくなってしまい、毎度毎度新製品情報に載るのはARとグロックのバージョン違いばかり乱発しているし、他社に至っては最早新規で金型を起こす体力の有るトイガンメーカーも数少なくなり、過去の作品をリメイクしたり少し外観を弄って新製品で出さなきゃならない低堕落。


かつてのMGCの成れの果てのKSCの製品はどれもこれも圧倒的に製品強度の低い製品ばかりで、一部ネット民からは「KSC」とは「買って、直ぐに、壊れる。」の頭文字だと揶揄される程に脆い製品ばかり。


ユーザーサイドからこんな皮肉めいた事を言われなくとも、メーカーは市場に製品として送り出す前に製品の耐久テストを入念に行っていればそうは早期で故障する製品ばかりじゃない事は確かな筈だ。


私の経験上KSCの製品で直ぐに壊れなかった製品はリボルバーのモデルガンだけだった。


いや、正確にはそれすらも早期でパーツが摩耗して作動不良を起こした為にメーカーにパーツを注文して取り替えた。


そしてこちらも老舗のマルゼンのガスガンのマガジンのガス漏れ症状は一向に改善の気配も無いのに、新製品として過去の作品のモデル違いみたいな機種を出していたり。


マルゼン製品のガス漏れ症状の酷さは平成初期頃から全く進歩が見られない。


マルゼンのガスガンのマガジンの放出バルブは最初から漏れる事を前提に作っているのでは無いかと思う程だ。


そしてこちらも老舗のマルシンのガスリボルバーもトリガーとハンマーの掛かるシアが直ぐにイカれる症状は、まだXカート化される前の旧型時代から何ら改良もされておらず、少し撃って遊ぶと直ぐに破損してしまう。


最近の製品も全く改良された形跡は無かった。


マルシンのダイキャストパーツは強度が低いのか、設計時に形状が適していないのか?直ぐに変形するイメージが有る。


マルシンはモデルガン以外はどれもこれもマトモに長持ちした製品に会った記憶が無いので、最近はもうハナから購入対象から外している。


タナカのペガサスリボルバーも、ペガサス誕生から20年以上経った今ですら箱出しで満足出来る性能や作動性を未だに確保出来ていない。


ペガサスリボルバーのチャンバーパッキンが硬すぎて、ゲボスケパッキンに変えないと弾抜けが悪いのも未来永劫続ける気なのか?


可変ホップも満足出来る仕上がりには程遠いままかれこれ20年以上進歩が見られない。


ウエスタンアームズの製品に至っては、誰もが簡単に手が出せない様な実銃並みの販売価格となり、ガバとベレッタしかラインナップに載っていないのでは?と思える位の零細企業。


2000年頃の月刊GUN誌を見返してみると、余りにも今の国内トイガンメーカーの体たらく振りが悲しくなる。


マルイですらとても「良い」とは言い難いアフターサービス環境だが、他社に至っては満足にパーツ供給すらしない上に、メーカー修理に送っても修理代金だけしっかり取って物は全く直っていない事もまま耳にする程に酷いアフターサービス体質。


こんなガタガタでいい加減で横着な気質の製品作りやアフターサービスを何時まで続けるのか?


恐らくは政治と同じで、ユーザーサイドの声を真摯に聞く気の無いメーカーには永遠にユーザーサイドからの改善案等届く事は無いのだろう。


全てメーカー任せにすれば良いのでは無い。


勿論ユーザーサイドでの創意工夫やアイデアや修理のノウハウを生み出す事は素晴らしい事だと思う。


だが、ここらでいい加減に国内トイガンメーカーも自社製品の品質をしっかりと見極め、欠陥や弱点を改善して行く姿勢を打ち出さないと、これからの少子化時代のトイガンファンはオールドファン達の様に何時までも気長になんて待ってはくれない。


老舗の名前にあぐらをかいた商売がまかり通った時代は遠に過ぎた。


我々がトイガンファンを続けていられる内に業界の古臭い体質が改善して欲しい物だと願う、土曜日のオールドガンマニアのボヤキでした。