土曜の深夜に冷たい雨が降っている。


マルシンのブローニングハイパワーを弄りながら、マイルスのトランペットを聴いていた。

そう言えば、昔はあれだけ大人のアングラな遊び場だった「遊べる本屋」のキャッチコピーで有名な某店みたいな所では、ジャズが掛かってたりしていた。

何時頃からか、あの遊べる本屋さんもショッピングモールの中に出店し始めてから店内に置く商品が酷くつまらなくなってしまった。

具体的に言うと、店内ではそれまでのジャズミュージックは掛からなくなり、小喧しい和製グランジロックミュージックやポップミュージックが鳴り響く様になり、陳列される商品も輸入駄菓子や「たべっ子動物グッズ」や「クレヨンしんちゃん」や「ジブリグッズ」等の子供向けキャラクターグッズばかりとなり、終いには店内のモニターでもクレヨンしんちゃんとかを垂れ流す様になっていた。

まあ昔を懐かしんでばかりいても仕方が無いのだが、昔通りにひっそりと有った頃のあの店にはヴィンテージのジッポーや逆輸入の機械式腕時計やヴィクトリノックス等のツールナイフも販売されていた。

それが、家族連れの客が訪れるショッピングモール内を中心に出店し始めてからは、店内に陳列出来る商品に制限?が掛かったのか、徐々に大人向けの喫煙具や刃物。逆輸入の腕時計等は店頭から消え去った。

だからか、ここ二~三年は某遊べる本屋がモール内に有っても覗きもしなくなってしまった。

思えばあの遊べる本屋が隆盛を極めた頃ももう25年近く前の話だ。

グロックやらシグP320みたいなポリマーオート全盛の昨今、ブローニングハイパワーなんて旧式のオートマチックピストルを愛好する年代の私では、今の遊べる本屋に通う客層の世代とはまるで感性が異なるから無理も無い話だ。

でも、きっとあの遊べる本屋がつまらなくなったと感じるのは私だけでは無いだろう。

所詮男は何時の時代も厳つくて武骨で無駄に重い道具が好きだったりするのだ。

私個人は今の遊べる本屋に陳列されている、御子様向けキャラクターグッズもKポップも輸入駄菓子も必要無い。

古臭くって構わない。

爺臭くたって構わない。

無駄な事に情熱を注ぐ事を「趣味」と言うのだから。

未だにスーパーカーブームを引きずっていても、

例え酒は止めてノンアルコールビールを飲む様になっても、

気持ちは昭和の子供のまま、歳を重ねている自分でした。