アメブロ界のリボルバー職人の「やえやま」さん。が骨董品レビューにてMGCの固定スライドガスガンをご紹介されていたのを見て、すっかり影響されまくった私も便乗して化石銃のレビューをさせて頂きます。


MGC固定スライドガスガン末期の名作。「S&W M645 ピンポインター」。

一時期トイガン市場を席巻していたMGCの固定スライドガスガン。

中でもガスブローバックガン登場前夜の時代の1990年代初頭。固定スライドガスガン末期の傑作にMGCのS&W M645が有った。

アメリカテレビドラマの「マイアミバイス」にてドン・ジョンソンが確かに第3シーズンだったかから劇中で使用していたのが、前シーズン迄の愛銃「ブレン・テン」の後釜のステンレス製オートマチックピストルのS&W M645だった。

そんなマイアミバイス人気にあやかり、当時の日本のトイガン市場にも各エアガンメーカーからM645が大量にモデルアップされていた。

中でもMGCの固定スライドガスガンのM645は、今ではもうこれ程綺麗な仕上げは無理だろうと言われる程のステンレス風クロームメッキが掛けられており、スライドが動かない事を除けばパーフェクトな外観でマイアミバイスファンのみならず、売れに売れまくっていた。

私もこのMGCのM645ピンポインターの他にボロのM645を一挺。

そしてM645のカスタムバージョンのM745を二挺所有している。

中でもこのM645ピンポインターは、MGCの作ったオリジナルカスタムガンで有り、悪く言えば架空銃だ。

しかし、当時の日本のトイガン業界で盛んに開催されていた「ジャパン・ビアンキカップ」で殆どのシューターのシェアを占めていた、同じくMGCの固定スライドガスガンのウイルソンLEを始めとした「GM6」シリーズばかりの様相を呈する大会参加者に同じくMGC製の他のガスガンも使って貰おうとしたMGCが、ガバベースでは無くS&Wのオートマチックピストルの固定スライドガスガンを自社のカスタムワークスにてマッチカスタムガンに仕上げ投入したのが、このS&W M645ピンポインターだった。

新品の販売価格が25000円と、当時のトイガン業界ではかなりの強気の値段設定だっただけ有って、カスタムパーツがこれでもかとふんだんに奢られたM645ピンポインター。

アルミダイキャスト製のコンペンセイターを装備。

こちらも綺麗なメッキが掛けられたコンペンセイター。

コンプの穴からインナーバレルが覗いているが、MGC製のオリジナルのインナーバレルはコンプの穴より奥まった位置までの長さの旋条痕が刻まれた「サイクロンバレル」が装備されている。

あれはその大層な名前程のグルーピング向上効果は見られなかったので、私の個体は10年位前にまだネットオークションで奇跡的に売られていた内径6.02のタイトなM645ピンポインター専用に作製された精密ロングインナーバレルに換装してある。

これによりオリジナルのインナーバレルよりも体感的な数値で表すと、大体15%増し位の素晴らしいグルーピングを生み出す様になった。



照準器にウィチタタイプのフルアジャスタブルサイトを乗せ、スライド上のセーフティーレバーは45オートと同じ位置にスワップして更にアンビタイプに変更。



マガジンキャッチボタンはマッチ用のワイドでロングな物が付く。

トリガーストップも装備。

専用の木製グリップを装着。

とても綺麗なステンレスプレス製の側を持つマガジンのボトムにはラバーバンパーが付く。

ガス注入時はラバーバンパーは外して注入する。

ステンレスマガジンボトムプレートにも45AUTO S&Wの刻印が入っている。

これだけの変更が施されると最早元々のM645の面影はかなり薄れ、オリジナルのカスタムガンに見える。

スライド裏面のピンポインターのロゴもカッコ良い。

とても架空のカスタムガンとは思えない素晴らしいセンス。

この頃までのMGCは広告や演出が他社よりもズバ抜けてセンスが高かった。

後日このピンポインターのグルーピングチェックも久々に行ってみたいと思います。

30年以上の時を経たMGCのカスタムワークが施されたマッチカスタムガンのM645ピンポインターの性能は如何程か?

今回はやえやまさんに多大な影響を受けて急遽MGCのS&W M645ピンポインターのプチレビューさせて頂きました✨。