先日、会社からの帰り道で、思いがけず心が軽くなる時間を過ごしました。



季節の変わり目で、寒すぎず暑すぎず、ただただ心地よい夜。


頬をなでる風がやさしくて、「あ、私まだ生きてるな」と思えたくらい。



大げさだけど、そんな感覚でした。



日曜日の夜で街は静か。


人も車も少なく、時間が止まったみたいにゆっくり流れていて。


そんな空気の中を歩いていると、「あれ?これが幸せってやつかも」とふと思いました。


特別なことは何もないのに、ただ「穏やかさと安心」があるだけで、こんなに心が満たされるのかと。



思い返すと、私は昔から“平和主義者(という名のめんどくさがり)”です。


家族や職場で意見がぶつかると、つい両方の気持ちを汲み取って中間をとろうとしてしまう。


正しいとか間違ってるとかより、「この場が早くおさまってくれ…」のほうが大事なんですよね。


結局、自分が安心できる空気を守りたいだけ。


まわりからは「優しい」と言われても、内心は「早く帰ってお風呂入りたい」だったりします。



もちろん、人を傷つけるような行動には「それは違う」と言うようにはしています。


でも、それ以外の場面では、できるだけ穏やかでいたい。たぶん私は“戦うより流されたいタイプ”なんです。



最近になってようやく気づいたのは、余裕がない日々を過ごしていると、自分が何を好きなのか、どんな瞬間にほっとするのかさえ見失ってしまうということ。


手に持っているスマホをそっとポケットにしまって、何も考えずに歩いてみる。


そんな小さな余白の中でこそ、「あ、私ってこういう静けさが好きだったんだな」と気づけるのかもしれません。



あの日、夜道を歩きながら思いました。


「私、やっぱり穏やかでいたいんだな」って。


波風立てずに、ぬるま湯につかるように生きていきたい。――ゆでがえるにならない程度に、ですけどね。