早番で19時までの勤務の本日 




明日は魁クンの中学校入学式




そろそろ帰ろっかなーと1歩踏み出した瞬間に『あの~、スミマセンちょっと教えてほしいんですけど…』というお客さま 




はいはい喜んで! 




で。 




『キャンプ用ストーブ(コンロ)が欲しいんだけどランニングコストが気になるから、某S◯T◯社のガス&ガソリン兼用のものを探してる』とのこと 




『あー、それやめた方がいいっす』とボク 




ここんちのガスストーブは性能いいんですが、液体燃料のストーブは【熱が原因のバーナーヘッドのパーツの変形】という理由で燃料漏れの修理が多いんです 




いちばん熱がかかる部分のパーツが『熱による変形』ってどーよ。。 




うちの店で売れる量なんて秀山荘時代に比べれば微々たるものなのに、いまの店に入ってから数年で5台くらい修理受付したような… 




と、その辺りの裏事情をご説明して次の選択肢に上がってきたのがコールマンの超ロングセラーの《スポーツスター》 




うん、これはいいっすよ! 




しかし… 




『自動車のガソリン使ったらどうなります?』って。 




んー、赤ガス(自動車用ガソリンの通称)使ってもいいけどジェネレータが詰まりやすくなって、交換サイクルが短くなるかな…




で、『もしかしてツーリングで使うんですか?』って聞いてみたら『実は、能登半島に行くんです』と。 




『東日本の震災の時に何も出来なくて、どうしてもそれが心に引っ掛かっていて、土曜日しか活動できないけど弾丸で行くことにしたんです』と。




さらに話をしていくと、ディーゼルエンジンにからむお仕事をされているそうで、ボクの説明を聞いているうちにジェネレータがガソリン以外の燃料だと詰まりやすいっていうのもだんだん分かってきた!とのことで… 





最終的に、僻地でのセルフメンテナンスがしやすいということで、ボクが長年愛用しているMSRの《ウィスパーライト・インターナショナル》というモデルに決定っ! 




これはホワイトガソリンの他にディーゼルと灯油、もちろん赤ガスも使えるモデルなんです

ただし《プレヒート》の儀式があるので、その辺りも説明した上で『絶対に出発前に練習してから持っていってくださいね』と念押し。 




ガソリンって、スプーン1杯程度でも着火させると爆発的に燃えるので慣れないとビビっちゃうんです 




プレヒートに使う量も、プライミングカップと呼ばれるスプーン1杯程度の量のお皿を『湿らす』程度で十分なんだけど、初めのうちはついナミナミと溜めてしまって大炎上させがち。 




その辺りの失敗談もしっかりお伝えしておきました 




続いてコッヘル(クッカー)を選んでもらったのですが、どれも高いな~ってことで、あの《ホットンビリー》の復刻版の焚き火缶3個セットを見ていただき、ボク自身が20代の時に元祖ホットンビリーをウィスパーライトと共に国内あちこち連れ回していた話をしたらこちらに決めていただきました 




鍋つかみが無いと沸いたお湯をカップに注ぐのが大変なので、スウェーデンのトランギア製のグリップも一緒にご購入決定っ! 




その後は、具体的に燃料をどのようにクルマで持っていくか、行動中の水は《飲み水》以外にも怪我をした時や目に異物が入ったときの洗浄用に使えるから常に携帯すべきこと等々、災害ボラとして経験してきたことを元にご助言。 




あす金曜日に、クルマで一気に現地へ移動しての活動とのこと 




能登は《半島》の地形ってこともあり、やはり先端部までは時間がかかりすぎて今回は諦めたそうです 




だけど、もしかしたら自己満足なのかもしれないけど、『困っている誰かのために』こうして動くっていう行動は、尊い。 




思い返してみると、【送り出す側】として過去の山や旅の経験を元に接客するのって、1995年1月に秀山荘に入った時、神戸に向かう報道クルーやボランティアの学生さんたちに接客して以来だったかも。 




本当なら、自分も行きたい。 




行って活動したい。 




俺たちの国で起きていることだから。 




『ひとごと』にはしておきたくないんだ。 




スキーシーズン諦めたっていいって思ってるよ。 




でもね 




能登は遠い。

物理的な距離も、金銭的な距離も… 




だけどこうして、ある意味《後方支援》として、いままでの自分自身のフィールドでの経験や知識・災害ボラとして経験したり学んできたことを元に、現地へ向かう人を正しい方向へと導くこともできるんだよね 




改めて、そのことを思う 




『できる人が できる時に できることを』 




このお客様にとって、東日本大震災の時は『できる時』じゃなかったんだよね 




あれから10年ちょっと過ぎてしまったけど、やっといま、その時が来たんだ 




そしてボクにとって、いま現地へ向かうというのは『できる時』ではないけれど、向かう人をこうして送り出すのは『できる時』だ 




もし、あと5分早く定時で帰ってしまっていたら… 




もし、あと5分お客さまが来るのが遅かったら… 




不思議な巡り合わせの力に感謝の念を深くした夜だったのでした 





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