年末のとある日、Voileの【ULTRA VECTOR】が売れました \(^o^)/



で、この板は真っ白でウロコ付きなのはいいんだけどトップシートに一切のプリントがありません



微妙にトップロッカーだし、形状的には《コードセンター》に取り付けをしていた頃のテレマークスキーとは違い、最近の滑走向けのスキーにウロコ加工してあるもの



どこをブーツセンターにすればいいのか、お客さんも結果的に『まぁ任せるよ』ってことになりまして。。( ̄▽ ̄;)


フィルムを剥ぐ前にブーツセンターのマークらしき凹凸があるように見えたのは、プリントの境目の段差でしたw



んー、とりあえずコードセンター測って、そこから15cm位後ろがブーツセンターとして相応しい位置かどうかを確認することに。

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コードセンターにラインを引いてみたところ



で、さすがにノーヒントで取り付けさせるはずないよな~と思っていたところ、フィルムに貼ってあったコレを思い出した!


なんとも手作り感に溢れるインスペクションステッカーなんだけど…



いっちばん最初に書いてあった!


『ブーツセンターについてはHP見てくれぃ』って。



で、パソコンでVoileのホームページを開いてから該当ページをクリックしてプリントアウトしたのがこちら!


該当モデルを探すのに、英語に慣れていないと少し大変かも。



落ち着いて探せば大丈夫。


ちなみにコチラ



『スキートップから一直線に計測・スキーの局面にメジャーを当てないこと』という注意書があります



で、まずは指示通りにブーツセンターマークを記入(下の写真の右のライン)
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で、ゲージはブーツトップの位置に合わせて作業するため、お客んがお使いのブーツのソール長を測り、その1/2の長さを前方にシフトしてラインを記入(上の写真のいちばん左のライン)



さらに今回は、10mmセットバックということなので右に1本線を引き、トップから808.5mmの位置をピンラインとします
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と、ここまでが作業の前半。



次はいよいよドリルで穴を開けていきます



今回、ビンディングは古い板に付いているものを載せ換えということで、スキーごとお持ち込みいただきました


ウォークモード切り替え付きの《TARGA ASCENT》です



このビンディング、足裏のプレートを外すと金属のハウジングが本体のプラスチック製のベースに4本のネジで固定されているのですが、このネジが新品の時から締め込みが甘いことが多く、そのまま使っているとネジ穴が広がってスッポ抜けることがあります

⬆️ 念の為ここの4本のネジを#3のポジドライバーで締め込んでおきます



その後、古い板から取り外して新しい板の穴開け作業へ!


店にあったテレマーク用のゲージは《TARGA ASCENT》に対応していないので、自前のものを自宅から持ってきましたw



6点止めの真ん中の穴は、前後の4点の穴を開けた後にゲージをずらして白いペイントを塗ったところを使うとドンピシャの間隔で開けることが出来るんです!
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秀山荘を退職するときに購入したゲージ、20年以上経ってもまだまだ仕事してくれてます💕



でもって、ドリリングし終わったとこ


メタル無しのスキーなのでメーカー指定はΦ3.5×9.0mm



普通のスキー用ドリルビットは9.5mmなので、最後にちょっと力を抜く感じで穴を開けます


で、こんな感じ。


次に《面取り》作業っ!


高速度鋼の面取りカッターでギュンギュンして…


できたっ!



表面のバリをカッターナイフで削り落としたら、非水溶性の防水液を流し込みます


アメリカのスキー関係の説明書なんかにも《WOOD GLUE》とかって書かれてたりしますが、あれは水溶性の場合が多いので年月が経つと溶けて無くなってしまいネジ穴に水が入るケースを多く見てきたため、いまの店に入ってからは100%非水溶性グルーを使用して取り付けしています



絶対にネジの抜けを防ぎたいという方はエポキシ系接着剤を使用しますが、今回は廃番になっているビンディングを大切に使っているお客様で『将来的にまた載せ換える可能性が無くはない』とのこと


で、使ったのがコレ。


硬化してもエポキシのようにガチガチに固まらず硬めのジェルみたいな感じになるため、再びネジをいじる可能性がある時にお勧めです



ちなみに、ヒールの位置はクライミングサポートを立てた状態で決めます


前過ぎるとソールがサポートから落ちちゃうし、後ろ過ぎても脱ぎ履きしづらくなるので、まぁ写真の位置辺りがいちばんいいかと。



で、ネジで固定する際にサポートが誤って倒れてしまわないための薄いステンレスプレートを挟み込みます


この位置がまた微妙で、しっかりクリック感がある位置でねじを締め込みます



ただ挟んでおけばいいというものではなく、サポート立てる時に固すぎず、使用中に倒れない程度の力がかかる位置で固定するので少し慣れが必要かも。



そんなこんなで両足ともプレートを調整しながらヒールピースを固定します


できたっ!



じゃーんっ♪


TARGA、TARGA-ASCENTともスペアパーツがほぼ入手できなくなってきましたので、皆さんネットオークションなどでパーツを買いためているようです


潔いほどの白いスキー



自衛隊の備品のようにも見えますがw



たぶん、次の春には八幡平の稜線に連れていってもらえるんじゃないかな?